【5分で読める本要約】橘玲｜お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方

さていきなりですが大切なことを4つん申し上げます。

• お金持ちになりたければ徹頭徹尾、経済合理的に生きなければならない
• 私たちはできるだけ経済合理的に判断しなければならない、なぜならビジネスも資産運用も短期的には偶然に左右されるとしても、長期的には経済合理的な選択が最も有利になるようにできているからである
• 経済的な独立を達成して真の自由を手に入れるためには、いつかはリスクをとらなければいけない
• 人生は有限であり私たちにとって最も貴重なのはお金ではなく時間です。それを考えれば経済的独立によって得られる自由の価値は何物にも変えられません

この4つの台詞がなんとなく私たちの人生にとって重要である、というのは誰もが理解できるかと思います。

今回のテーマはお金と人生設計でございます。自分の人生を上手に設計して、将来お金に困らないようにするためには経済的な視点から見て私たちが生きているのはどういう社会なのかということを理解しなければいけません。

そのため実践的な知識が盛り込まれた1冊を今日は紹介いたしましょう。

今回は橘玲さんの"お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方"を要約して行きます。

この本は30万円部を超える大ベストセラー本であらゆる成功者が成功のバイブル本としてあげている素晴らしい本でございます。

この本を読んで自分の現状とこれからどうやって生きていけばいいのかということについて考えさせられました。

では早速参りましょう。

人生を最適設計する働き方

では、人生を最適設計する働き方から解説していきましょうか。

さてまず、私たちの人生に最も影響を与える人生設計のお話からスタートしていきましょう。人生設計というと資産を育てていくことが重要であるということは、誰もが知っていることでしょう。

若い時に働いて、老後にまとまった資産がなければ私たちは退職した後に暮らしていくことができないからであります。

とはいえ、なかなか2,000万円の現金を持っているよとか都内に一戸建てのアパートを持っているよという人は稀だと思うんです。

俺には何の資産もない、と思っている人もいるでしょう。

しかし、私たちは誰もが最大の資産を持っているんです。それは働いてお金を稼ぐ力でございます。経済学の用語で言うとこの働いてお金を稼ぐ力のことは人的資本と呼ばれます。

私たちは誰もがこの人的資本という最大の資本を持っているんです。では、何故この人的資本が最大の資産であるのかピンとこないよ、という人のためにその理由を説明していきましょうか。

あなたが仮に1年間働いて500万円の収入を得るとします。

資産運用の利回りが1%とすると、資産運用でこの500万円の利益を得るには5億円の元本が必要になるんです。

あなたの能力を一種の株式と考えれば、その価値は5億円ということになります。あなたが1年間働いて500万円の収入を得ているというのは見方を変えると、労働市場にあなたの人的資本を投資して500万円の富を得ているということでございます。

もし、この500万円をお金を運用することによって得ようとするならば先ほど申し上げたとおり金利が1%なら5億円、2%で運用できたとしても2.5億円必要になるんです。

どうですか私達は500円のお金なんてとても持っていませんよね。仮に死ぬほど努力してめちゃめちゃ幸運に恵まれて5億円を手にしたとしても、金利が1%なら500万円にしかならないんです。

5億円あるのに500万円しか産んでくれないのかなんだか少ないなと思いませんか。

それに対してあなたが働いて年に500万円稼いでいるのならば、あなたは5億円の人的資本を1%で運用して500万円を得ていると考えることができるんです。

5億円の貯金があってそれを資産運用することで500万円ゲットできる人なんてほんの一部ですよね。

しかし、私達は働けば500万円の収入を得ることはそこまで難しくはないでしょう。それは私たちが大きな人的資本を持っているからであります。

この大きな人的資本からすれば、あなたが今持っている数百万円の金融資産なんて問題になりません。よくお金が少ないうちは投資をするよりも自己投資をして自分の能力をあげなさい、と言われるのは少ないお金を投資して少額の利益を得るよりも、自分の的資本に投資して、それを5億円、10億円、20億円の人的資本に育てることの方が効率が良いからなんですね。

そもそも若いうちは貯金なんてほとんど持っていないでしょうから、貯金のない私たちがお金持ちになる最も確実な方法は、この人的資本を運用すること、すなわち働くことでございます。

そして、さらに良いことは人的資源を活用することにマイナスがないということであります。働けば必ず収入を得られるのだから、これは損をしない投資のようなものです。

一方お金を投資することにはリスクが伴い、時にはそれを失ってしまう可能性だってあるんです。人的資本を運用する、すなわち働くというのはリスクのない投資と考えることもできるんです。

貯金がないうちは人的資本からどのように収益を増やしていくかに集中するべきでございます。そして、人的資本から収入を増やすには原理的に次の2つの方法しかないんですね。

1. 人的資本への投資によって人的資本を大きくする
2. 人的資本の運用期間をできるだけ長くする

1.関しては自己啓発本などに書かれている方法で、例えば資格を取得したり、コミュニケーション能力のスキルなどをあげたり、南極のペンギンに氷を売る営業力を身につければ年収を大きく増やすことができるでしょう。

よく副業をして収入をあげましょう、とか自分だけしかないスキルを身に付けて自分の市場価値をあげましょう、なんて言われるわけですが、それを言い換えるのならば自分の人的資本に投資して人的資本を大きくしようとしているということでございます。あなたが今何かしら年収を上げる努力をしているのならば、それをひっくるめて自分の人的資本への投資ということができるんです。

これが先ほど申し上げた自分の人的資本を5億円、10億円、20億円へと増やしていく方法になります。この方法はとても達成感がありますから人気のある方法でございます。

書店に行けば年収を上げる方法やスキルを高める方法を語った本が大量にあることに気づくでしょう。それだけ人気があり熱があるということでございます。

そして、この方法よりも最も確実なのが方法2.の人的資本の運用期間をできるだけ長くするという方法でございます。

当たり前ですが、長く働けば働くほど労働市場から得られる富は大きくなります。老後問題というのは老後が長すぎることなんですから、80歳まで働ける仕事を持てば問題そのものが消失し、年金制度の破綻を気にしすぎることもなくなるでしょう。

そう考えれば、一番大切なのは楽しく長く働ける仕事を見つけることなんです。この長く働く定年を60歳ではなく70歳、75歳にしていくという方法はあらゆる本で書かれていることでもあります。

我が国の年金制度は極めて厳しい状況にあり、将来年金がもらえるかどうか不確定というのが実際のところです。ですから、長く働くことによって老後を短くしてお金の不安をなくそうとあらゆる本が主張しているわけなんですね。

実際に北米やオランダ、ベルギーなどの北欧州では生涯現役が新しい常識となっております。

日本でも本格的な超高齢社会を迎えることが避けられない以上、定年後も労働市場や市民社会へと参加することが求められる時代になることは間違いないんですね。

その時に不本意な仕事しか選択肢がないなら生きることそのものが苦痛になってしまいます。

不幸というのは強い心理的ストレスに曝された状態のことであります。人間が社会的な存在である以上、ほとんどのストレスは人間関係から生じます。

これはアドラー心理学を解説した"嫌われる勇気"というベストセラーの本でも言われていることであります。

家族や恋人との関係も難しいとは思いますが、サラリーマンの人生は会社に拘束されていますから、上司や部下、同僚など会社内の人間関係が苦しさの原因になる事が大半でしょう。

このようにして日本人は働くことは苦役であり、なんとか勤めあげれば定年後に悠々自適の極楽が待っているという極めて特殊な人生観を持つようになりました。

しかし、これは大学卒業から定年までの会社社員人生が40年と区切られていたからこそ通用する人生設計だったんです。

これが80歳まで働くん世の中になれば、なんと60年間人生の1/3が辛い時間になってしまいます。

ほとんどの人はこんな人生に耐えることはできないでしょう。そう考えれば超高齢化社会の人生設計は自分の好きな仕事をする事しかありません。

何を当たり前の事を言っているんだと思われるかもしれませんが、これ以外に60年という長い職業人生を乗り切る戦略はないんです。

楽しく長く働ける世の中にしようというきれいごとではなく、私たちは好きを仕事にする以外に生き延びる方法がない残酷な世界に連れ去られてしまったんです。

世間ではよく好きなことを仕事にすれば楽しく働ける、だから好きな仕事をするべきであると言われるんですが、実際これからの超高齢化社会においては長く働き続けるために好きなことを仕事にするしかないわけなんですね。

確かに考えてみればそうですが、20歳から80歳まで働かなくてはいけないのならば60年間も僕らはずっと嫌なことをやり続けられるでしょうか。なかなか厳しいですよね。ですから、私たちは自分がやりたいことを仕事にする必要があるんです。

少なくともやっていて苦痛ではないレベルの仕事をする必要があります。しかし、会社に拘束されてしまうと自分の好きな仕事をするのはなかなか現実問題難しいでしょう。

そこで橘さんは自営業やフリーランスになることをお勧めされております。橘さんは自営業になって痛感したのは好きなことしかやらないと決めれば人生における面倒な問題の大半は消失するとおっしゃっております。というのも、世の中には5%程度の割合で正常な人間関係を結ぶのが極めて難しい人がいるからです。

仕事上のほとんどのトラブルはこの厄介な人がもたらすのですから、苦しさから抜け出すにはそういう人と付き合わない選択肢をこちらが持てばいいだけなんです。

職場にはモンスターと呼ぶべき頭のおかしな奴が一人はいますよね。しかし、一緒に働いている以上このモンスターとも付き合わなければならない。

ほとんどの人間関係のトラブルは、このモンスターがもたらすのだからこのモンスターとかからなくてもいい選択肢を私たちが持つことができれば、人間関係の苦しさから抜け出すことができるんです。

すなわち、自営業者やフリーランスになって、組織から自由になれば理不尽な人間関係の中で倍返しだなんて叫ぶこともなくなるでしょう。

そのうえ、通勤や無駄な会議がなくなれば自由な時間が劇的に増えます。橘さんは人生の1/4ほどを海外で過ごしていらっしゃるそうですが、こんなことが可能になるのは無駄なことに時間を費やす必要がなくなったからだとおっしゃっています。

人生は有限であり私たちにとって最も重要なのはお金ではなく時間です。

それを考えれば経済的独立によって得られる自由の価値というのは何物にも変えられません。経済的に独立してしまえば、もっと具体的にいうと金融資産で1億円貯めることができれば、私たちは会社に行かなくてもいいので使える時間が圧倒的に増えます。

使える時間が圧倒的に増えるということは人生が長くなったのと同じことであります。

また会社に行かなくてもいいので理不尽な上司や言うことを聞かない頭の悪い部下といった面倒くさい人間関係を切り捨てることができます。

経済的独立を達成すれば自由が手に入り大抵の問題は消失するんです。

最速で資産を形成する方法

では最後に最も早く金持ちになる方法をお伝えいたしましょう。

誰もがあからさまには言わないものの、大抵の人が知っていることです。それは自営業者あるいは中小企業の経営者になって所得に対して税金を払わないことでございます。

なぜならば、シンプルにサラリーマンの税金はとても高いからであります。サラリーマンの場合、仮に1,000万円の収入があっても税金と社会保険料を引かれた手取りは700万円程度しか残りません。

1,000万円稼いで700万円しか残らないんです。

それに対して自営業者の場合、同じ1,000万円の収入があれば国民年金と健康保険に若干の支払いをしたとしても合法的にほぼ全額を処分所得にすることも可能なんです。

仮に生活費を400万円とするならば、サラリーマンの貯蓄額は300万円、自営業者は600万円となるんです。

毎年300万円を投資に回し、年3%で運用したとしても1億円の資産を作るのに25年もかかってしまいます。

いくら高収入のサラリーマンでも子供の教育費などを考えれば毎年コンスタントに300万円も積み立てられる人は限られてくるでしょう。

それに対して同じ条件で毎年600万円を投資に回せば14年目で資産は1億円を超えるんです。税金を払わないことによって何の追加的な努力もせずに、経済的独立までにかかる時間を10年以上も短縮することができるんです。

このように、税金を払わない効果には圧倒的なものがあります。だからこそ少し頭のいい人はさっさとサラリーマンを辞めて自営業者になるか、自分でビジネスを始めるんです。

上手く事業が軌道に乗ってキャッシュが回り始めれば税コストのかからない彼らは急速に金持ちになっていくんです。

知っておかなければならないのはサラリーマンは国家から搾取されているということであります。

サラリーマンの税負担は非常に重く、社会保険料を含めると約3割を国に納めていることになります。

毎月手取りの給料を受け取るたびに引かれすぎだ、とため息をついている人も多いかと思われます。

筆者に言わせればこんなに大量に税金を払っていてはお金持ちになれるはずがありません。だから、税金を払わず最速で資産を形成するために自営業やフリーランスになるんです。

そして、その上でマイクロ法人を作るんです。マイクロ法人とはフリーランスや自営業の人達が法人化したものでございます。

イメージで言うならば独りミニ会社を作ったという感じです。

世間ではフリーランスや自営業の人が儲かってくると「そろそろ税負担が大きくなってきたから法人化しよっ！」といった感じで使われております。

マイクロ法人を設立すると合法的な範囲で、できるだけ税金を払わなくても済むんです。僕らの今の国の税制度というのは大きく歪んでいて、サラリーマンに厳しく法人に対してはない状態なんです。

法人になると税金的にメリットがあるわけですね。もう借り始めたら税金を逃れるために法人化するというのは金持ちの間では常識となっております。

ここではマイクロ法人を作ると税金がめちゃくちゃ安くなるんだ、ということを覚えておいてください。そして、マイクロ法人の具体的な設立の仕方は、法務局に電話して聞けばただで教えてくれます。

そして、法人に登録したあと、税金関係の書類も提出しなければいけないんですが、これも税務局に聞けばタダで親切に教えてくれます。

つまり、今あなたが自営業とかフリーランスで儲かっていて、税金を節約したければマイクロ法人を立てれば良い。そして、マイクロ法人のたて方は法務局と税務署に聞けばタダで教えてくれる。このことをぜひ覚えておいて欲しいんです。

そして、今サラリーマンのあなたは残念ですが、税金に対してなすすべがありません。雇われて給料をもらっている人は、問答無用で給料から天引きされてしまうので、節税する余地がないんです。

使えるのはふるさと納税ぐらいでしょう。何度も言っているように約3割、人よっては半分近く持っていかれる税金を払っているようでは絶対に金持ちになれません。

だから、今サラリーマンのあなたは副業をしたり、独立をして個人事業主やフリーランスになり、マイクロ法人を設立して税コストを抑えるしかないんです。

ここからは今日の内容を踏まえて実際に法人にするとメリットがあるのかということについて深掘りして解説していきたいと思います。

Aさんという人物がいます。

Aさんは海外に法人を設立しております。これは別に日本でも良いです。日本に住んでいれば日本に方針を立てる海外に住んでいれば海外に方針を立てるというのが一般的だと思います。

そして私は、Aさんと会った時に「実際に報酬をたてたらどうなの？やっぱり儲かるの？」という具体的な話が聞けたんですね。Aさん曰く法人をたてることで、とてもお金が貯まるということでございました。

なぜなら税金が安くなるからでございます。

本来は税金として納めるお金を合法的に法人の経費で自分の生活費に振り替えたり、自分の家賃を払ったり、自分が買った本とか漫画とかも全部法人の経費で落とせるそうです。

友人と外食した時もそれをビジネスの相談をしながらご飯を食った、ということにすればねそのお金も経費で落とすことができるんです。

私との夕食後、Aさんはしっかりと領収書を受け取っておりました。そして、海外旅行すらもビジネスのために視察に行ったと言えば経費で落とせるんです。

とにかく法人にすることで様々なメリットが得られるようになるわけでございます。身近に法人を立てている人がいなくて、法人になるとそんなにメリットがあるのと疑っている人は今回のこの私のAさんの話を証拠としてください。

大事なのは法人というもう1つの人格をゲットすることでございます。

個人と法人、この2つの人格を巧みに使い分けることによって税金が安くなったり、低金利で融資が受けれたり、家族を雇用できたりと、様々なメリットがあるんですね。

ある程度お金を稼いでいる人がみんな法人を立てているという事実は法人をたてるといかにメリットが大きいかということを物語っております。

あなたが今自営業者やフリーランスで儲かっているのならば、マイクロ法人を立てるという新しい発想を検討してみてください。

もしサラリーマンならば問答無用で税金が引かれてしまうので、副業で自営業者になったり独立してフリーランスになってマイクロ法人を建てることを人生設計の選択肢のひとつとして検討してみてほしいと思います。

法人を立てることによって様々なメリットが得られるということを知花さんは黄金の羽根を拾うと表現しております。

本来こんな黄金の羽なんて簡単に落ちているはずはないんですが、このマイクロ法人を立てて様々なメリットを得るというのは、ゆがんだ税制度で固定化されたものですから黄金の羽は法律が変わらない限りずっと使うことができます。

最後にこれだけ言わせてください。

お金持ちになりたければ、徹頭徹尾、経済合理的に生きなければならない経済合理的に生きる最も強力な方法が今日紹介したマイクロ法人を立てるという方法になります。