今週、3月5日(木)の「カンブリア宮殿」では、下請け町工場とタッグを組んで、新しいヒット商品を生み出す「セメントプロデュースデザイン」の秘密に迫る!!
同社の社長である金谷勉さん流の"勝てるモノづくり"の必勝法とは??
企業のデザインをプロデュースする「セグメントプロデュースデザイン」とは??
fa-arrow-circle-rightセグメントプロデュースデザインとは、日本の中小企業の再生と向上を促進するデザインプロデュース会社のこと。
大阪市に本社を構え、広告デザインやWEBデザイン、プロダクトデザイン、パッケージデザインなどのデザインを手掛けている。
主要クライアントは「fa-arrow-circle-rightKOKUYO」や「fa-arrow-circle-rightLoft」、「fa-arrow-circle-right東急ハンズ」や「fa-arrow-circle-rightアシックス」、「fa-arrow-circle-rightモロゾフ」などのさまざまな企業の商品などのデザインに携わっている。
セグメントプロデュースデザインといえば、「Trace Face Knit Wear」のトレースフェイスが大ヒット。
トレースフェイスとは
通常、家庭で使うお皿や器は表面がツルツルしたノーマルタイプの食器が多い。
しかし、セグメントプロデュースデザインはまるで「ニット」のようなデザインのトレースフェイスをデザインしたのだ。
同社が共同開発したのは、愛知県瀬戸市で経営危機にあった陶磁器の石膏型をつくる下請け会社「fa-arrow-circle-right株式会社エム・エム・ヨシハシ」。
1つ1,500円程度で製造を請け負っているが、トレースフェイスの「Knit Wear(ニットウェア)」や「Rattan Basket(ラタンバスケット)」は1個2000円。
精巧なニット柄やバスケット柄のカップを開発し、年間5000個売れる大ヒットを記録したのだ。
止まる所を知らない快進撃!!セグメントプロデュースデザインが手掛けるヒット商品
セグメントプロデュースデザインの手掛けた大ヒットデザインはそれだけではない。
東京・墨田区では、部品ひとつ数十円で請け負っていたプレス加工の町工場「fa-arrow-circle-right笠原スプリング製作所」にも大ヒット商品を生んだ。
ケータリングやパーティー、結婚式などで写真映えする1本600円のお洒落なフードピック「TREE PICKS」を共同開発し、会社の経営を復活させた。
さらに、静岡県・熱海市で旅館の建具を作っていた下請け木工所「fa-arrow-circle-right西島木工所」ともコラボ。
食材を切る「まな板」としてだけでなく、裏面は食事を盛りつける「プレート」として利用できるデザイン性の高いまな板“face two face(フェイス トゥー フェイス)”を開発。
face two faceを販売してから、西島木工所の売上は1.5倍へとアップしたという。
下請け会社での営業経験を活かし、年間70社の商品開発をサポートしヒット連発!!
さまざまな企業とヒット商品を手掛けてきた金谷さん。
金谷さんは大学卒業後にデザイン制作会社へ入社、その後大手広告代理店の下請け会社で営業をしていたが、28歳で独立。
ユニークなデザインのクリップ「fa-arrow-circle-rightHAPPY FACE CLIP」を自社開発したのを契機に、ものづくりのノウハウを学んだ。
金谷さんが初めて製作を手掛けたHAPPY FACE CLIPは、現在もなお1個500円で販売されている。
金谷さんは地方産業との仕事を重ねていく上で、分業化されて自社商品を作るノウハウがなく、疲弊していく日本の製造業の現状を知り、「このままではいけない」と思い、中小向けの“商品開発のノウハウ”を伝授するゼミを開講。
金谷さんがヒットを連発する理由は、必ず現場を訪れていること。
現場では使われていない機械や廃材までしっかりチェックし、その企業の強みを徹底的に分析する。
そこから、その会社にある技術を最大限生かせる商品作りを提案するだけでなく、商談会への出展や商品が売れるまでサポートする。
そうすることで金谷さんは年間70社の商品開発をサポートしヒットを連発させてきたのである。
中小町工場の技術をコラボレーション!!これまでにない商品づくりへ
そんな金谷さんが次に計画しているプロジェクトは、自身が手がけた全国の町工場の技術を掛け合わせること。
福井の漆器会社「fa-arrow-circle-right土直漆器」と大阪の木工所「fa-arrow-circle-right平井木工万物所」がタッグを組み、今までにない色鮮やかな漆塗りの万年筆づくりが行われていた。
平井木工万物所の万年筆づくりの技術と土直漆器の漆器づくりを合わせてほかにはない万年筆を製作する。
違うジャンルを組み合わせて新しいジャンルを作る。
東京・銀座にある銀座伊東屋では、ビャク 万年筆として11万円で販売されている。
その品質は良好なもので、バイヤーも「10万円でもリーズナブル」と絶賛。
衰退していためがねの聖地「鯖江市」を一変!!
福井県鯖江市は、メガネフレームの国内生産シェア率96%で“めがねの聖地”と呼ばれている。
めがねの聖地と言われるだけあって競合が多く、メガネ素材を扱うfa-arrow-circle-right株式会社キッソオは債務超過に陥っていた。
しかし、キッソオはセグメントプロデュースデザインの金谷さんと「サバエミミカキ」を共同開発して大ヒット。
キッソオはそのヒットを生んだ経験をもとに、次々とオリジナル商品を企画し、売上を増やしている。
そして鯖江では、キッソオの成功例を知った他の下請け企業も自社商品を作り始め、街全体が変わり始めていた。
キッソオの吉川さんは眼鏡の部品を作るための小型プレス機で、地元の下請け企業に飴をプレスするというアイデアを与え、現在「アメガネ」として10個550円で販売されている。
レンズを販売する企業は「ドロップルーペ(5,500円)」というネックレスになるオシャレなルーペを販売。
その理由は東京で「鯖江みみかき」と言う商品で東京の店に並んでいるのがうらやましいという気持ちからだった。
金谷さんが目標とするのは、中小企業自らが売れる商品を作り、「自走」すること。
金谷さんは地元の中小企業キッソオを成功させることで、地元の他の企業の闘争心を燃やしたのだ。
イノベーションは「組み合わせ」ともいえ、違うジャンルを組み合わせて新しいジャンルを作ることができる。
そして、身近な成功体験を感じることで、日本のものづくりが活性化していくのかもしれない。