あなたは習慣として身につけたいことがありますか?
英会話、読書、ジョギング、資格の勉強、副業などチャレンジする気持ちがあることはとても素晴らしいことです。
しかし、もっと肝心なのはその習慣化を実現できるかどうかです。
良い習慣はあるとの人生の幸福度を高め夢を最大限に叶えてくれます。
その可能性を限りなく100%に近づけるためにはあらゆる習慣の土台となるあるものを育てる必要があるんです。
それはあなたの自己肯定感です。
今回は自己肯定感の第一任者である心理カウンセラーの中島輝さんの"習慣化は自己肯定感が10割"を解説していきたいと思います。
さて習慣化と自己肯定感、タイトルの通りこの2つは切っても切れない関係にあるんです。
自己肯定感が下がっている状態だと習慣化というのはなかなかうまくいかないんです。
自分はできる、やれるという後押しが得られず3日坊主で諦めてしまうんです。
そこから「自分は意思が弱くて、ダメなやつだ」などと言って自分を責めてしまうため自己肯定感は下がる一方です。
逆に自己肯定感が高まっている状態だと習慣化はスムーズに身についていきます。
「大丈夫、うまくいくきっとできる」そのように自分の可能性を信じているため成功率が高いというわけなんです。
そして、成功体験を得ると自信がつきさらに自己肯定感は高まるんです。
まさに習慣化は自己肯定感が10割というわけなんです。
これまでに習慣を身につけるための本をたくさん目にしてきた人が多いと思いますが、本書は習慣化の成功に欠かせないスキル、テクニックにこの自己肯定感を絡めています。
私もこれまで非常に沢山の習慣化の本を読んできましたが、習慣化と自己肯定感を結びつけて詳しく論じているものはあまり読んだことがなかったので非常に勉強になる一冊でした。
自己肯定感が習慣化を成功させる
さて私たちの毎日の行動の40%以上は、その場の決定ではなく習慣によって動かされている。
これは2006年にアメリカのデューク大学の研究チームが発表した論文の内容です。
あなたは自分が起きている間、その場その場で考え取、捨選択して行動していると思っていませんか。
実は、それらは錯覚で実際には行動の半分近くが無意識に行われているんです。
ですから、ついついネガティブな事を考えちゃうとか物事がうまく進まない状況があれば、それはあなたに悪い影響を与えている習慣を繰り返している可能性があるんですね。
であればその悪習慣を改め、あなたに良い影響をもたらす習慣を身につけることで悩ましい状況は徐々に改善されていくでしょう。
例えば、間食の習慣がある人は少しでも空腹を感じれば無意識に冷蔵庫を開けているのではないでしょうか。
デザートを食べる習慣がある人は、お弁当や軽食を買うたびに無意識にデザートコーナーにも足を運んじゃってそれなりに大きなスイーツを選んでしまっているかもしれません。
そのような人が、本当は痩せたいと悩んでいるのであればそういった悪習慣を断ち切って代わりに食事の内容に気を配ったり運動するといった取り組みを習慣化してダイエットを進めていくことを考えるでしょう。
しかし、意識的に新しい習慣を身につけようとすることは一筋縄ではいかなそうなイメージありませんか。
あなたに良い影響を与えてくれる行動を習慣化するにはどれぐらい頑張る必要があるのでしょうか。
ロンドン大学の心理学者のフィリップラリー博士の研究によると意識的に実行する段階から自動的な習慣となるまでの期間、つまり何も考えずに自然と行動できるようになるまで平均で66日かかることが明らかになっております。
もちろんで単純な習慣ほど定着期間は短く、複雑な習慣になればなるほど長くなるのは当然で66日というのは研究に参加した人の平均値ですから目安として捉えてください。
実際に被験者の習慣が定着するまでの日数には18日から254日までとかなりのばらつきがあったそうです。
大切なのは期間よりも習慣化がうまくいくことですから、66日より長くかかっても気にする必要はありません。
ただ、最低ラインとして単純な習慣なら目安は3週間、やや複雑な習慣なら66日が分岐点と考え続けてみましょう。
自分の人生をより良い方向に向かわせる選択をして、それに合った行動が無意識にできるようになるまで頑張ってみましょう。
さて「これから習慣化にチャレンジしたいよ」という人は始める前に次の注意点を是非押さえておいて欲しいんです。
私たちは達成したい結果を想像して、やる気を高めてから習慣化のスタートを切ろうとしてしまいます。
つまり、求める結果のために習慣という行動を作り出すんですが、なんとそれだと成功率が低いんです。
例えば次のようなパターンが当てはまります。
■パターン1
独立起業をしたい。その準備のため毎朝専門書を読む。
■パターン2
リバウンドしないダイエットを成功させる。そのために食習慣を変える。
■パターン3
副業で稼ぎたい。そのために1日1記事ブログに書く。
さてこれを聞いてどう思いましたか。
これって当たり前のことじゃないのとそう思いますよね。
目標を達成した自分を想像して、モチベーションを高めてそのためにどんな新たな習慣を取り入れていくとよいかを考える。
いたって理にかなったやり方のように思います。ところが、意志の力でスタートさせたほとんどの習慣は頭では大事であるとわかっていてもほとんどの場合、途中で挫折してしまいます。
なぜなら、結果ありきの習慣は自己肯定感を低下させるからです。
「辛い」「しんどいなあ」「それでも結果のために頑張らないといけない。」
このように無理に自分を奮い立たせて習慣を継続しようと頑張っちゃうため途中で投げ出してしまう可能性が高いんです。
結果を求めて意思の力で行動を起こすと、大抵どこかで限界が来てしまうというわけなんです。
このことは皆様も今までのご自身の経験から納得できるのではないでしょうか。
それでは私たちは一体どうすれば良いのか。ここで足りていないのは自己肯定感を高めるという視点なのだと著者は言っているんです。
始める前に習慣化に成功すると自分の人生はどう幸せになっていくのかということを深掘りして自己肯定感をまず高めてあげる必要があるんです。
取り入れた一習慣を習慣化する本当の理由、何のためにやるのか、すなわち、Whyをはっきりさせるというわけなんです。
例えば、先ほどの例でWhyをはっきりさせるとしたら、例えば次のような感じになります。
独立起業をしたい。その準備のため毎朝専門書を読む。
→この場合のWhyは、多くの人に役立つ事業のアイデアを実現したいというもの。
例えばリバウンドしないダイエットを成功させる。そのために食習慣を変えるというパターン。
→憧れのブランドの服をかっこよく着こなし、おしゃれによる自己表現をもっと楽しみたいというものが考えられます。
副業で稼ぎたい。そのために一日一記事をブログに書くというパターン。
→パートナーと協力して暮らしが快適になるマンションを買いたい、といったものが考えられるでしょう。
さて、いかがでしょうか。
Whyをはっきりさせるというのはこういうことです。新しい習慣を取り入れ、それを習慣化したことで得られる結果によりあなたはどのような幸せを感じるか。
そのイメージを明確にしておくことで意思の力で行動を起こすのとは違ったスタートの切り方が見えてくるんです。
習慣化するには最初が肝心なんです。どんな自分になりたいのかが最初にはっきりしている人は、やる気や失敗を受け止める力、一つの物事に集中する力、自分を許す力が持てるようになり、自己肯定感が高い状態で行動することができるんです。
そもそも習慣化を支える自己肯定感がどういったものなのか、あまりピンと来ていないよという人もいらっしゃるでしょう。
著者の別の本、"自己肯定感の教科書"によると…
"自己肯定感とは、自分が自分であることに満足でき、自分を価値ある存在だと受け入れられる感覚"
とされています。
自己肯定感が高まれば高まるほど人は自分の選択を信じることができて、他人に優しくなれます。
そして、この先の人生も素晴らしいことがたくさん待っていると思えるため、前向きな気持ちで充実した日々を送ることができるんです。
自己肯定感を次のように誤解して捉えている人も多いのではないでしょうか。
自己肯定感が高いのは、ただの自己満足ではないのか、もともとポジティブな性格だからそう思えるのではないか、周りの人の気持ちがわからない人間ではないか、と誤解している人いらっしゃるのではないでしょうか。
実は自己肯定感は誰しもが持っている感覚です。自己満足でもなく人格者だけに備わっているものでもありません。
しかし、多くの人が大人になあるにつれて、その本来の力を発揮できなくなる傾向にあるんです。
その理由として、次の2つが考えられます。
- 経験が増えるから
- 大人になるほど他人と自分を比較してしまうから
さてまず経験が増えるから、という理由ですが、私たちは長く生きれば生きるほど多くの失敗や物事がうまくいかなかったという経験をしていきます。
そして、私たち脳はそういったネガティブな経験ほど強く印象に残すように構造上できているんです。
これは危険な状態を回避するために備わった本能的な性質なんですが、同時に同じ失敗をくり返したくないという意識も高めていきます。
すると、失敗を恐れるが故に新しい習慣に取り組むのを避けたり、周りの人の顔色を伺って発言を控えたり、行動を制限し現状維持を好むようになります。
また、何か意思決定をするときも安泰を求めて逃げるという選択をするようになっていきます。
これが満足感や自分の価値を信じる感覚を遠ざけ、自己肯定感の喪失へとつながってしまうわけなんです。
そして、自己肯定感が下がるもうひとつの理由は、人は大人になればなるほど他人と自分を比較してしまうということです。
仕事や収入、容姿、どんな家に住んでどんな車に乗っているのか、パートナーはいるのかなど現代人はSNSから比較対象となる画像や動画などを目にする機会がしょっちゅうありますよね。
もちろん身近な人間をライバルとして競い合い、勉強や仕事の成果が上がるということはあるでしょうが、その方法が有効に機能するのは自己肯定感が高まっているときに限ります。
自己肯定感が低い状態だと他人との比較が劣等感や不安自己嫌悪の引き金となります。
益々、自己肯定感が下がるという負のループが始まってしまうんです。
しかし、それについて嘆くことはありません。大人になって色んな人と比較したり経験が増えたことによって自己肯定感が低くなってしまったとしても、再び努力で高めることができますから安心してください。
私たちは何歳であろうと、どんな環境でも自己肯定感を育んでいくことが可能なんです。
- 習慣が身につくとは無意識に行動できるようになることであり、そうなるまでに必要な日数は平均66日。習慣化するには最初に何のためにやるのか。すなわちWhyをはっきりさせ自己肯定感を高めておくことが肝心である。
- 結果ありきの習慣は自己肯定感を低下させるため、結果を求めて意思の力でスタートさせたほとんどの習慣は続かない。
- ポ自己肯定感とは自分が自分であることに満足でき、自分を価値ある存在だと受け入れられる感覚のこと。自己肯定感は何歳であろうと、どんな環境でも高めることができる。
挫折しないための心得
さて、習慣化には自己肯定感の高さが必要であり、自己肯定感は誰でも高めることができるというお話をしました。
著者はクライアントとのカウンセリングを通して習慣化がうまくいかない人は結果を追い求めて無理してしまい、自己肯定感が低くなっていることに気付いたと述べています。
彼らには具体的に次の3つの共通点があったそうです。
習慣化がうまくいかない人の共通点
- 「ねばならない」「すべき」という思い込みが強く、一気に習慣を変えようとする。
- 全て完璧にやろうとして思考に緩みや遊びがない。
- 切り替えができず、過去の失敗を引きずっている。
さていかがでしょう。
これらには「思い当たる節があるなあ」という人が多いのではないでしょうか。でも、だからといって自分はダメなんだと思い込む必要はありません。
思い込みは過去の失敗は、それを客観的に受け止め次に活かそうと捉え直すことができれば習慣化を成功させる糧になります。
一つずつ解決策を確認して次の挑戦に活かしていきましょう。
それではまず一つ目の習慣化がうまくいかない人の共通点、「ねばならない」「すべき」という思い込みが強く一気に習慣を変えようとする、から解説していきたいと思います。
さて強い思い込みにより、これまでの生活リズムをガラリと変えようとすると大きなストレスを私たちは背負うことになります。
例え続いてもせいぜい意志の力で無理をねじ伏せることができる。しばらくの間のみでその新習慣は途絶えてしまいます。
新しく取り入れた習慣が自分にとって心地よいものなのか、ストレスになってしまうのか、それがわかった時点で継続できるかはほぼ見えているんです。
これの解決策としては、まず「ねばならない」「すべき」の先入観を手放すということが大切です。
無理を続けるとあなたの心がどこかで悲鳴を上げてしまいます。
心の声に耳を傾けながらやり方を調整していくことが遠回りのようで習慣化を成功させる近道なんです。
それでは次に2つ目の習慣化がうまくいかない人の共通点、すべて完璧にやろうとして思考に緩みや遊びがない、について解説していきたいと思います。
さてこれも「ねばならない」という思い込みと関係していて自分を追い詰めてしまう行動です。
完璧主義と自己肯定感の低さが重なった結果、自分の行動を客観的に見ることができなくなってしまいます。
やると決めた習慣を完璧に実行することがルール化されてしまい、そのルールを破っちゃうとその瞬間全てが嫌になって放り出したくなってしまうんです。
さらには投げ出した自分に苛立ち、自虐的になり、自己肯定感をさらに低下させてしまうという負のループに陥ります。
そうならないためには習慣のレパートリーを増やして、選択肢の幅を広げてあげることが大切です。
例えば、習慣化しようとしているスタンダードなプランが実行できない日は、プランBに変更する、Bも難しい場合はより負荷の軽いプランCに変更するという風に自分の中に2,3種類のレパートリーをあらかじめ用意しておくということがコツになります。
それでは次3つめの習慣ががうまくいかない人の共通点で切り替えができず過去の失敗を引きずっている、について解説していきたいと思います。
さて、新しい習慣に取り組みながら「またうまくいかないに違いないよ」とか「どうせ失敗する」と悲観的になったり、ちょっとしたつまずきで「やっぱり俺はだめだ」とか「もうやめておこう」と落ち込んでしまう原因として過去の失敗体験が忘れられないというものがよくあります。
このネガティブな経験の足かせを外すためには自己肯定感をあげて自分の人生は自分が主役であるという感覚を取り戻すことが重要です。
それは自分はなぜそうしたいのか、どんな自分になりたいのかに意識を向け、好きや楽しいといった気持ちと共に新しい習慣に取り組むことで解決するケースがあります。
当然ですが、やりやすい習慣、やりたい習慣を選べば継続はしやすくなります。
そうやってうまくいっている感覚を積み上げると次第に「あーなんだ俺はやれば出来るじゃないか」と思えるようになってくるんです。
つまり、小さな習慣の達成を繰り返し経験することによって、成功体験を味わい、自己肯定感が徐々に高まっていくんです。
重要なのはこのサイクルを何度も味わい続けることです。
すると過去の失敗体験は過去のものと切り替え、今ここからに意識を向け歩みだすことができるんです。
この切替も大事なんですが、もう一つ大切なことは挫折した経験などを全否定して葬り去らないということ。
それは取り返しのつかない失敗ではなく、一時的な失敗であり、なりたい自分になるために役立つ経験であったと捉えましょう。
一見、マイナスに思える経験や体験が私たちを成長させてくれるんです。
もしあなたの大切な人がうまくいかないと悩んでいたり、失敗や挫折に苦しんでいたら、慮って励ましの言葉などをかけてあげると思います。
そんなふうに自分に対しても思いやりや優しさを向けるんです。
この失敗から学んだことを次に活かそう。「今度はうまくいくはずだ」とか「周りの人に話して意見をもらってみよう」など、そのように考えていけば挫折や失敗をネガティブに捉えることが少なくなり、ひとつひとつがなりたい自分に近づくための大切な経験だったとして受け止められるようになります。
トライ&エラーを繰り返し自分に合う方法をぜひ見つけていきましょう。
"壁というのはできる人にしかやってこない。超えられる可能性がある人にしかやってこない。だから壁があるときはチャンスだと思っている"
これはイチロー選手の言葉です。
私たちは目の前に高い壁がせり上がっていることに気づくと最初から諦めてしまったり、ぶつかってもいないのに途中で投げ出すことがあります。
もしあなたが習慣を身につけようとして過去にそういった挫折を経験していたとしても、それはあなたの意志の問題ではなく、自己肯定感が低かっただけなんです。
自己肯定感を高めれば、「できる理由ないよ」と限界を設けていた自分が「できるはず」と、可能性を信じられる自分に変わり、やる前から諦めたり途中で投げ出すことがなくなります。
習慣化のテクニックをすぐにはうまく活用できないかもしれません。でも、忘れないで下さい。習慣の力は確実にあなたの中にも備わっています。
心の負担になる習慣ではなく、好きという感情、楽しい感情を作る習慣を選びましょう。
もし習慣化にくじけそうな感情が沸き起こったら、寝る前にその日にあった嬉しかったことを3つ書き出してみてください。
1日の終わりを楽しい感情で閉めて反発期を乗り越えていきましょう。
そして、習慣が途切れてしまった日には、「やってしまったやっぱり自分にはダメだったよ」と投げ出すんじゃなくて、「まあまあ、たまにはサボってもいいよ」と自分を許し、励ましながら気持ちを切り替えること。
この時のために先ほどお話しした負荷の軽い、プランBプランCといった別のプランを用意しておくとベターでしょう。
このようにしてなりたい自分を思い描き、。新しい習慣を取り入れて小さな失敗と成功を繰り返し自己肯定感を高めながら歩んでいきましょう。
- 習慣かをうまく進めるコツは次の4つ
- 結果を追い求めて無理しすぎない。「ねばならない」「すべき」の先入観を手放し、心の声に耳を傾けながらやり方を調整していくこと。
- 習慣のレパートリーを増やし、選択肢の幅を広げておこう。やると決めた事がどうしても実行できない時のためにもっと負荷の軽いプランも複数用意しておくこと。
- 小さな習慣の達成を繰り返し経験することで自己肯定感が徐々に高まり、諦めない逃げ出さない自分に変わるということ。
- 失敗は挑戦した証であり、なりたい自分になるために役立つ経験であったと捉えること。トライ&エラーを繰り返し恐れずに何度でも挑戦し続けること。
- 習慣が途切れてしまった日には、「まあまあ、たまにはサボってもいいよ」と自分を許し励ましながら気持ちを切り替えよう。
習慣の種を蒔こう
大人になって低下してしまった自己肯定感を満たすためのテクニックを紹介します。
そして、成功率が高い状態で新しい習慣をスタートするための入り口の部分を解説していきたいと思います。
さて、あなたはマインドセットという言葉を聞いたことがあるでしょうか。
マインドセットとは、その人のこれまでの経験、教育、先入観から作られる思考パターン、固定化された考え方など心の在り方のことを指します。
心理学の研究によるとマインドセット、つまり心の在り方には次の2つがあります。
- 人間の努力と成長を信じることのできる成長マインドセット
- 人の能力は生まれ持った才能によって決まっていると考える固定マインドセット
マインドセットは状況に応じて常々変化していくものであり、私たちの心のあり方はこの2つのマインドセットの間を行き来しております。
このマインドセットをうまくコントロールすることにより自分には価値があるという感情を満たすことができる。
つまり、自己肯定感を高めることができるんです。
ちょっと具体例を挙げてみましょう。
例えば、次のように思っている会社員のAさんがいるとしましょう。
「今働いている職場が自分にとって好ましくない環境で別の就職先を探している。そこに入社するためにはTOEIC800点以上を取得することが必須条件なので英語の勉強を習慣化したい。それなのに習慣ががうまくいかなくて困っている。」
さてさて、このAさんのマインドセットは成長マインドセットと固定マインドセットどちらの方を向いていると皆さん思います。
この人は習慣化がうまくいかず挫折しかねない状態です。自分には習慣化の能力が無いと思い始めているはずです。
ですから答えは固定マインドセットになります。
私たちの脳は負の記憶を強く印象に残すため、ネガティブな思考パターンにどうしても陥ってしまいがちになります。
ネガティブな思考パターンが続くと「人は能力がないからうまくいかなくたって仕方ないや」と結論づけ納得しようとしてしまうものなんです。
この時、心は固定マインドセットリン向かっています。
この問題の根本にはやはり自己肯定感の低下があり、マインドセットの変化はその影響を受けています。
Aさんはその心の在り方で引き続き英語の勉強習慣に取り組んでも、途中で「やっぱり駄目だ」と挫折してしまう可能性が高いでしょう。
この固定マインドセット的な思考パターンは誰もが持っているものですから、人はうまくいかない状況で次のようなネガティブな思考パターンに陥りやすくなります。
- 1つの物事に執着し多面的に考えられずイライラする。
- 周囲の人の些細なミス行き違いが気になり目くじらを立てる。
- 目先の不安に流されて余裕を持てず焦ってしまう。
しかし、自分はダメだと強く思う時もあれば、何でもうまくいく気がするじゃんとワクワクする日もあるように僕らのマインドセットというのは日々変化するんです。
ですから、その思考パターンを何でもうまくいく気がするという成長マインドセットの方に向けてやれば習慣化を成功に導く自己肯定感を高めることができるんです。
ここで前述でお話ししたことを思い出していただきたいと思います。
うまくいかない現場に悩んだり、過去の失敗を悔やんでいる他者に優しく声がけするように自分に対しても思いやりや優しさを向けることが大切だと申し上げました。
では、そのようにして先ほどのネガティブな思考パターンをポジティブな方向に変換してみましょうか。
1つの物事に執着し多面的に考えられず、イライラするという状況ならば物事がうまくいかないと感じている時ほど「まいっか」と声に出し、休みを取りましょう。
スマホもパソコンもおいて浜辺や森を歩きましょう。ぼんやりしながら考えると良いアイデアが浮かぶかもしれません。
そして、周囲の人のささいなミス、行き違いが気になり目くじらを立ててしまう状況ならば、周囲の人に自分から「その考え方、やり方もいいね」と言ってみましょう。
相手も自分も肩の力を抜くことができるかもしれません。
そして目先の不安に流されて余裕を持てず、焦ってしまう状況ならば、不安を感じたら「やるだけやったし、なんとかなるよ」と声に出してみましょう。
未来の可能性に希望を持てるかもしれません。
さていかがでしょうか。
このようにネガティブな状況でも自分に対してこのようなフォローをすることによって心のゆとりができます。
これはあなたのマインドセット、成長マインドセットへと切り替えていくリフレーミングというテクニックになります。
リフレーミングとは今までの見方の枠組み、すなわちフレームを外し別の角度から見ることです。
否定的な思考パターンを肯定的な思考パターンに変換しながら心の在り方をフラットな状態に持っていくテクニックで自分の今を客観視できるようになります。
行き詰まった時には是非活用してください。
心の在り方を成長マインドセットに近づけ、自分には価値があるという感情を呼び起こすんです。
さて先ほどのAさんの例を覚えているでしょうか。
このAさんの場合、どのように習慣化をスタートさせると良いか。
まず1つ目のポイントとして、「何のために」すなわちWhyを明確にしましょう。
まずは自分がなぜそうするのか、どんな自分になりたいのかを深掘りし、取り入れたい習慣を習慣化する本当の理由、何のために、すなわちWhyを整理する必要があります。
すると次のような動機が見つかるでしょう。
"英語をもっと自在に操りたい。だから毎日の勉強を習慣にする。"
この場合のWhyは、"英語を武器に自由に生きる自分になりたい"ということが考えられます。
そして2つ目のポイントは、リフレーミングで現状を客観視するということ。
次にリフレーミングで成長マインドセットへの変化を促して今の職場が合わないと感じている現状を別の角度から眺めてみましょう。
例えば、次のような感じです。
「今の職場が合わないのは自分から心のガードをあげていたからかもしれない。周囲の人に自分からその考え方やり方もいいねと言ってみよう。それでも合わないと思うなら別に飛び出したっていいよね。」
こんな感じでリフレーミングしてみましょう。
さてこのように具体的になりたい自分を描き、現場を捉え直すことで自分の価値を再認識し自己肯定感を高めるんです。
その上で自由に生きる自分を支える武器となる英語の学習の習慣化に取り組むんです。
このより最初に十分に良い土を準備した上で良い習慣の種をまくことがとても大切なんです。
Aさんの習慣の種はこの先、力強く芽吹くはずです。
皆さんもこれから新たな良い習慣に取り組む時は、先に良い土を準備し安心して種蒔きのできる環境を整えましょう。Aさんのように最初に動機と心の在り方に意識を向けてみてください。
そしてマインドセットを変えるためにリフレーミングで自分の現状を客観視し、自己肯定感を低下させていた思考パターンやストレスを手放しましょう。
これが習慣化の良いスタートを切る方法になります。
なりたい自分に向かう習慣が持続し、定着し始めると自己肯定感がさらに高まっていきます。
するとその道中で出くわすネガティブな出来事もまあいっか大丈夫、大丈夫と手放していくことができるようになるため習慣を身につけることが楽になります。
そして、どんな習慣も努力が必要な段階を乗り越えればいちいち考えなくても実行できるようになっていきます。
意志の力で実行せざるを得なかった作業が無意識的に処理できるようになるんです。これこそが習慣の強みなんです。
習慣と自己肯定感があれば新たな習慣化と更なる自己肯定感の向上という正のループに乗ることができ、私たちの人生はどんどん良い方向に変わっていくんです。
- マインドセット、すなわち心の在り方には人間の努力と成長を信じることのできる成長マインドセットと人の能力は生まれ持った才能によって決まっていると考える固定マインドセットがある。
- マインドセットを成長マインドセットに持っていくことで自分には価値があるという感情を満たすことができ、自己肯定感が高まる。
- 新しい習慣をスタートする前の準備として
- 「何のために」すなわちWhyを明確にしましょう。なりたい自分をイメージして習慣の動機付けを行いましょう。
- リフレーミングで現状を客観視しましょう。リフレーミングで成長マインドセットへと変えましょう。
さて皆様いかがでしたでしょうか。新しい習慣をスタートするのに年齢は関係ありません。
「人生をより良く変えるために、これから何かを始めたいなー」と思っている人はたくさんいらっしゃると思います。
せっかくで良い習慣を身につけようとモチベーション高く考えているわけですから、喜ばしい結果を得るためにも本書で学び、準備万端で挑んでみてはいかがでしょうか。
本書では自己肯定感を高めるために役立つ考え方や習慣化の成功率をより上げるためのテクニック、そしてそれらについての詳しい解説、リフレーミングの練習になる、リフレーミング変換表など紹介したくてもしきれなかった情報がたくさん詰め込まれております。
これらは、あなたの人生を変えるこれからの新しい習慣をスタートさせる心強い味方となってくれるはずです。