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【5分で読める本要約】中桐啓貴|日本一カンタンな「投資」と「お金」の本
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"日本一カンタンな投資とお金の本"の著者、中桐啓貴さんは、2007年に会社勤めでお金持ちになる人の考え方投資のやり方という本を出し、その本を通して積立投資でグローバルに分散投資をしましょう、という考えを広めた人なのです。

そして、その本の読者からとても参考になったと、これから積立投資を始めたいという声をたくさん頂いたそうです。

それから本書を出版するまで12年が経ち、その間にはリーマンショック、チャイナショックがありましたが積立投資を継続していれば投資元本に対して2倍以上になっていたはずなのです。 

しかしながら、中桐さんの所に読者からの一通もお礼の手紙、つまりは「中桐さんの本のおかげで資産を増やすことができました」という手紙が来なかったそうなのです。

不思議に思った中桐さんは、あるネット証券に積立投資をしている投資家の平均積立期間をお調べてもらいました。

結果は、驚きの数字が出てきたのです。それは積立投資の継続期間はなんと2年から5年間だったです。

要するに10年、20年と継続して積立投資をしようと思い立って始めたんだけど実は2年間で積立投資を辞めてしまっているのがほとんどの人だ、ということなのです。

アメリカのファイナンシャルアドバイザーの間ではリスクというのはマーケットが変動することではなく、投資を途中でやめてしまうことだと言われています。

例えば、リーマンショックが起こった時、その時に長期投資として持っていた株を手放してしまう。これがリスクなのです。

リーマンショック自体はリスクではないです。それを怖いと思って逃げ出してしまう人間の心これがリスクなのです。

投資の軸をもっとマーケットに対してのネガティブな情報が入ってきてもブレなくなります。

毎日のようにトランプ大統領の発言や、米中貿易摩擦などがテレビやネットを通じて飛び込んできますが、その情報によって軸がない投資家というのは一喜一憂して長期投資を辞めたいという衝動に駆られてしまいます。

一方で軸をちゃんと持っている投資家はマーケットの変動に対して平然と受け流すことができます。

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なぜ日本人は投資をやらないのか

いまだに日本人は株式や投資信託に対する不信感が根強く残っています。

理由の1つは日本株がここ30年間、停滞してしまっているので周りに自分の周りに投資で儲かった人がいないということが大きいと考えます。

平成元年に日経平均株価に投資して30年間持ち続けたら半分になってしまっています。

日本の経済は停滞しており、日本株に投資しても儲からない時代が続いてしまっている。これが日本人が投資嫌いしている理由になります。

しかしその一方、米国株に30年前に投資していれば、この30年間で10倍になっています。

ドイツ株に投資をしていても10倍になっています。だからこそ、アメリカ人やドイツ人は今すぐ使わないお金は投資に回すことを考えているのです。

なぜなら銀行に置いているより、投資に回したほうが長期的に見れば利回りが良いと考えるからなのです。

だから資産の半分以上を投資に回しているのです。

翻って日本人はどうかと言うと日本株の低迷と投資に対する正しい知識を習ったことがないせいで投資はギャンブルと似たようなものだと思い込んでしまい、資産の10%の投資に回していないです。

これは日本人にとって大きな機会損失だと言えます。

アメリカ人やドイツ人のように投資に対する軸をしっかりと守って、早期で世界に分散投資をするというのが一番シンプルで一番儲かる方法です。

これはアメリカ人やドイツ人が優れているという話ではありません。

日本では投資のように汗を流さずお金を稼ぐ行為は悪い行為だという価値観が染み付いているせいで、投資に対する知識が育っていかない。だから、まずはしっかりと知識を頭に入れ、その上で投票するかどうかを判断すればいいということなのです。

さらに日本には貯金信仰という考え方もあります。子供の頃から私たちはいざという時のために貯金しておきなさいと親や学校から教育されてきたのですが、お年玉をどう使うのか聞かれ、「貯金するよ」と答えると「えらいねぇ」と褒められる世界で生きてきたのです。

そもそもなぜ、こんな教育が行われてしまっているのでしょうか。

それは貯金が第二次世界大戦の直前、戦費調達を目的に政府が半ば強制的に全国に奨励したシステムだったからなのです。そして戦争がなくなった現代では鮮卑に変わり莫大な国債を償却することに預金者のお金が運用されているのです。

ホリエモンこと堀江貴文さんは、この貯金信仰に対してこう言っています。

「お金の無駄遣いはしたくないくせに、時間を無駄遣いすることには抵抗がない。こっちの方が絶対に変だろう。どれだけ叩かれようと僕はこれからもお金を使えと言い続ける。時間の安い切り売りも貯金も辞めてしまおう。

自分で動き出して穴を開けたものだけが余った金を総取りできる。そして、お金の悩みから解放される。本当だ。大人は口を揃えていざという時のためにお金は大切と言うけれど本当にいざという時に遭遇したら逃げるための知恵だったり信頼できるコネクションなどお金よりもっと重要なものがあることを教えるのが大人の役割だと思う。

お金を大事にしろと言う前にお金の本当の意義とかお金の正しい使い方を子供たちにきちんと教えるべきだ。

それを怠った結果として貯金信仰に縛られた人間ばかりの閉塞した社会ができてしまったのではないか。」

あなたが持っている貯金信仰や、投資が悪だという考えは本当にあなたが心の底から思っていることなのか。それとも子供時代から延々と聞かされ続けた親の話や先生の話によって作られた洗脳なのかということ。

いざという時のために貯金をしておこう。その言葉はあなたの経験から出たものなのか。

それとも誰が言ったのかも覚えていないような言葉をただ反射的に貯金する言い訳として使っているだけなのか

日本に住んでいると日本の価値観が当然だと思ってしまうのも無理はないことです。

しかし、一度それを疑うという視点を持って自分の考えを見直しましょう。

汗水垂らさず得たお金は悪なのか

汗水垂らして得たお金は悪という日本人ならではの考えについて見つめ直していきます。

この考えは大きく分けると2つのことから生まれています。

それは格差教育です。ここではそのうちの1つである格差について考えたいと思います。

格差を生んでいる大きな要因、それは今の社会が資本主義だということです。そしてこの資本主義の仕組みを理解することが投資で勝つための基礎にも繋がります。

まず、今世界のほとんどの国が資本主義を採用しています。欧米ばかりではなく中国も国家資本主義社会主義市場経済などと言われています。

資本主義の限界を指摘する声というのは確かにあるのですが、見渡せば世界中のほとんどの国が資本主義なのです。

その理由は大きく分けると2つあり、1つはこれまで資本主義の国では社会全体の富が増え、株価も上がり、そこで暮らす人々の所得水準これも上昇してきたからなのです。

もう1つは資本主義の成り立ちに関わる事ですが、資本主義は社会主義のように思想家からの理念や思想から生まれた仕組みではない。これが大切なのです。

理想ではなく人々の現実生活での欲求が作り上げた仕組み、それが資本主義なのです。

18世紀末から19世紀にかけて近代工業化を成し遂げたイギリス、フランス、ドイツなども西欧諸国では経済社会が大きく変わって産業革命と呼ばれた事をご存知でしょう。

資本主義というのはその西欧で大きく変化した経済社会の現実を表現するために生まれ言葉なのです。

そして、それがこれからも資本主義が続く理由になります。資本主義の仕組みを生み育てたのは農村での自給自足から商工業の時代に変化したことで何らかの仕事をして収入を得なければ食べていけなくなった人たちなのです。

彼らにはあれこれ制約されずに自由に商売して稼いだ利益で暮らしを豊かにしたいという欲求がありました。

資本主義はこのような理想や理念ではなく、現実に対する本音の欲求が生み育てた仕組みだからこそ生命力が強いわけです。

色々悪く言う人がいてもそれに変わる仕組みが今のところ現れていません。だから結局、資本主義の基本的な仕組みは変わらず、私たちも資本主義の下で生活しているわけです。

株価が上がるのもこの資本主義という土壌の上で企業が自由に経済活動できるからなのです。

資本主義は経済行為の自由生産財財産を個人で所有できるお気づきと強い社会のことです。

分かりやすく言えば、何をしてもよく、それで得たものは自由に使っていいということなのです。

資本主義社会において起業をするのか、会社に勤めるのか、どの職業に就くかは自分の意志で決めることができます。稼いだお金は自分のものであり自由に使い、貯め方を決めることができます。

金融資産や、不動産だけでなくそれが工場やのようにビジネスに使う生産財であっても自由に所有ができます。

会社の株も自由に所有ができます。

働き場である企業は軍隊や政府が支配するのではなく、資本を提供した株主が経営権を握って人事も経営方針の利益配分も資本を出したその株主が決めることができる。

これが資本主義社会なのです。

もし、コインの表を自由とするなら裏には自立と責任がある。資本主義はお金の稼ぎ方使い方が自由な社会なので、それはすなわち豊かになることも貧しくなることも個人の自由というわけなのです。

努力次第で億万長者になるチャンスがある社会ですが、一方で努力と責任が伴うということなのですが、資本主義というのは人間の奥底にある儲けたいという欲望をエネルギーに変えていく仕組みです。

アダムスミスの言葉に、"我々が食事ができるのは肉屋や酒屋やパン屋の主人が博愛心を発揮するからではなく、自分の利益を追求するからである"とあります。

つまり、資本主義経済というのは人間の欲望によって回っているのです。

そして、その欲望というのは悪いことではない。その欲望によって皆が豊かになっているということなのです。

さらに資本主義の大事な考え方として誰でも社会を支える立派な1人であるということが挙げられます。

1人1人が稼ぐことは自分の生活のためでしょうが、どんな動機であっても誰かが稼げば社会の国は増えるからなのです。

もちろん単にもっと働けばいいということではありません。ただ、お金を稼ぐことを肯定的に捉えて欲しいということです。

もっと言えばきちんとお金を稼いで暮らしている人っていうのは道徳的であると誇りを持って欲しいということなのです。

誰かが稼いで財やサービスを生んでいるから私たちは豊かな食生活を送れることは中学生でも理解できるでしょう。

そして企業が設備投資をして生産活動ができるのも、そのためのお金を誰かが投資しているからなのです。

要は私たちが稼いで豊かになろうとすることは決して自分だけのためのエゴイスティックな行為ではなくむしろ社会のための行為であり、その欲望によって資本主義社会は成長していくのです。

逆に言えば、健全で活力がある社会を保つためには稼いで自分の資産を増やし、その資産を投資という形で社会に還元していく人が増える方がいいということになります。

経済成長とともに働く人の所得も増加した高度成長期とは違い今は賃金が上がりにくい時代なのです。

一方で企業は配当金や自社株買いによる株主への還元を増やして行っています。株主資本主義になりつつあるのです。

私たちには労働を通じて所得を得るだけでなく、投資をして資本の対価を貰う株主になるという手があるわけです。

個別の企業の株に投資したり、それらの株を束ねた投資信託を保有するのはまさに株主側に立つ行為なのです。

投資を通じて自分も社会も豊かになれることが資本主義の最大の魅力です。

日本人の中には汗水垂らして働いて得たお金は尊いけれど、投資で得たお金はあぶく銭、あるいは不労所得のように言う人がいますが、全くの勘違いなのです。

どちらで得たお金も尊いお金なのです。稼ぐことで世の中の役に立つことが資本主義の考え方です。

もちろんそこには稼ぐことで自立しようとか、社会に役立つという倫理観があるはずだ、という前提もあります。

その倫理観がないと投資も単なる小遣い稼ぎになってしまうからです。資本主義は金儲けをする人を当然否定はしません。ただ、近江商人の言う、三方よしに代表されるように自己の利益とお客の利益、そして社会の利益が一致しないと、このビジネスは長く続かないというのも事実です。

また、お金を稼ぐということは自由を得ようとすることでもあります。福沢諭吉の経済的な自立なしに人格的な独立も自由も達成できないと言っています。

実際年収がアップしたおかげで人生の選択肢が増えたという人は少なくありません。お金があれば趣味も広がり、子供の教育にお金をかけることだってできます。

逆にお金がなければ家庭を持ちたくとも結婚もできないのが現実です。

自由になって自己実現を達成したいという強い欲求が経済を活性化させてくれます。

まとめ
  1. 個人がお金を稼ぐという行為自体が世界全体の経済成長の役に立っているということ。
  2. 汗水垂らして働いて得たお金も、投資で得たお金も尊いということ。
  3. 投資も自分のお金をリスクに晒すという大変な決断を行ってする社会貢献のひとつの形だということ。

「怖い」はどこから生まれるのか?

米国株は過去20年間で3倍になっているということは、長期投資をしていたらこの20年間で3倍になるリターンを享受できていたということになります。

ただし、これは言うは安し、行うは難しで10年、20年と投資を継続できる人はそれほど多くはありません。最初に買ったら後はほったらかしにしておけばいいだけなのですが、それが難しいのです。

飛行機に乗って大きく揺れるともしかして墜落するのでは、と不安になります。でも、機長や、キャビンアテンダントたちは飛行機が揺れることはあっても簡単には落ちないということを理解しているので動じません。

投資も同じで長期的に投資を続ける中で一定の揺れは必ず行ってきます。そこで動揺し不安に思い、投資を辞めてしまう人が多いのです。

誰でもリーマンショックなどの大きな揺れが来たら不安に思うでしょう。100年に一度の経済危機などという煽りを目にしたらこれまでの常識は通用しないから株を手放すなくては、そう考えてしまうのも無理もないことです。

しかし、そこをぐっとこらえる必要があります。

そのような大きな揺れを乗り越えるために必要な物が知識です。知識を学ぶことは投資であなたが成功する確率を上げることに繋がります。

有名なYou Tuberが「米国株式バンドが絶対に安全、おすすめだ」と言っていたとしてもその投資を行うのはあなた自身なのです。

あなたがリスクを取ってお金をリスクにさらしてあなた自身が行わなくてはならないです。

「インデックスファンドのおすすめ」と言われたからインデックスファンドを買う。これだけでは予想外の揺れが来た時に対応できません。

心の底からなぜインデックスファンドがいいのか理解できていないと大きな揺れに動揺して手放してしまいます。

有名人の言うことを信じ過ぎて、あまりに本当に手放すべき場面が来た時に対応できないということもあるかもしれません。

知識は精神を安定させてくれる重要な要素です。インデックスファンドに投資を行う、知識がある人もない人もやる行為自体は、同じかもしれませんが知識によってその投資の成功確率っていうのは大きく変わってしまいます。

私たちは今は時代の転換点に入るためパラダイムチェンジをしなければいけません。つまり、戦後の高度成長期に調整された日本人の価値観からの脱皮です。

その古い価値観とは同じ企業に定年まで働き、資産を銀行預金にしておいて定年後は国が面倒を見てくれると信じることです。

65歳まで働いて80歳で寿命を迎えるという時代から80歳まで働いて100歳で寿命を迎えるという時代への転換を受け入れる必要があります。

それには2つの選択肢があります。

  • 1つ目がより長く働く。
  • 2つ目が資産をより効率的かつ長く運用。

長く働くには折り返し地点である50歳前後でもう一度学び直し、新たなスキルを習得することで自分のマーケットバリューを上げていく必要があります。

オンラインで海外の大学の学位や修士号を取ることもできるようになっています。

そして、もう1つがより資産を効率的に運用するということです。より長く働けるということはそれだけ資産を増やすチャンスがあるということなのです。

ギャンブルやトレードと違って、当時は世界経済が発展を続ける限り投資をしている全員が儲けることができます。

絶対に投資した方がいいと言っているわけではありません。ただ知識がない状態で投資をした方がいい、しない方がいいということを判断するべきではないということなのです。

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