
旅行に行くと「道の駅」に立ち寄ったことがあるという人は多いのではないだろうか。
地域の特徴を活かした食材やお土産なども販売しており、見かけるとついつい立ち寄ってしまう人も。
11月7日(木)のカンブリア宮殿では、今人気の道の駅について密着していた。
人口3,300人の村に190万人の来訪者が訪れる道の駅の秘密に迫る!
目次
“遊べる食べれる道の駅”として「何もない」村に奇跡を呼んだ「川場田園プラザ」とは?
人気の道の駅は口コミが広がり、人が集まりやすい。
群馬県川場村にある「fa-arrow-circle-right川場田園プラザ」は、年間なんと190万人を集客する道の駅だ。
道の駅のさまざまなランキングで1位を獲得する「川場田園プラザ」。
がわばグルメやお買い物、宿泊や日帰り温泉にろくろ体験陶芸教室など“遊べる食べれる道の駅”として大人気だ。
週末になると7つある駐車場が満車になる。
東京はもちろん、伊豆や山形、静岡や岩手県からも川場田園プラザを目当てに訪れる人々が。
そんな「川場田園プラザ」のある群馬県川場市は人口わずか3,300人。
人口の少ない村でありながら、年間190万人を集客する道の駅があるとは驚きだ。
ちなみに、人気スポットの2018年度の来場者数は次のようになっている。
施設名 | 来場者数 |
よみうりランド | 191万人 |
川場田園プラザ | 190万人 |
姫路城 | 158万人 |
旭山動物園 | 137万人 |
川場田園プラザは世界遺産の姫路城を上回り、東京のよみうりランドに匹敵する道の駅とは思えない集客力だ。
そんな関東で人気の道の駅「川場田園プラザ」の誕生秘話に迫る。
1日まるごと楽しめる道の駅「川場田園プラザ」ではどんなことができる?
川場田園プラザでは、がわばグルメやお買い物、宿泊や日帰り温泉にろくろ体験陶芸教室などさまざまな体験ができる。
夏に人気なのは、7月初旬からスタートするブルーベリー講演での摘み取り体験。
食べ放題なのに料金は無料なので、来場者は驚きを隠せない。
子供連れには嬉しいプレイゾーンには、滑り台などもあり、充実している。
また、地ビールレストラン武尊やビール工房、ミルク工房などもあり大人も楽しめる道の駅だ。
川場田園プラザのベーカリーショップでは、パンをレジに通すだけで画像でパンの種類を認識する画像認識装置も導入されている。
地元の食材を使った1個1800円の高級ヨーグルトが次々に売れる!?
もともと群馬県川場村は主に農業と畜産とメインとしており、「特別なものは何もない」という小さな村だった。
しかし今、「川場田園プラザ」で人気を集めているのが、1個1800円(350g)の高級ヨーグルトだ。
そんなヨーグルトが販売されているのはもちろん、道の駅「川場田園プラザ」。
川場田園プラザはまるで都心の高級スイーツ店ような雰囲気を醸しだしており、まるで群馬にいることも忘れてしまいそうなほど。
1個1,800円のプレミアムヨーグルトを製造しているのは、地元・川場市の厳選商品を集めたギフト店の「fa-arrow-circle-rightカワバプレミア」。
プレミアムヨーグルトの原材料は川場村の生乳を使用して作り、地元の小野養蜂場で採取した濃厚な蜂蜜を使用している。
プレミアムヨーグルトは「極上の美味しさ」を徹底的に追求したヨーグルトだ。
カワバプレミアで人気なのはプレミアムヨーグルトだけではなく、5枚で1000円のガトークッキーも飛ぶように売れている。
ガトークッキーは2つの食感を楽しめる「カワバプレミア」のオリジナルクッキー。
味はブルーベリー&ショコラ、ブルーベリー&ホワイトチョコ、ヨーグルトチョコチップ、りんご&紅茶、りんご&クリームチーズの5種類の詰合せがある。
「川場田園プラザ」が第1位を獲得したランキングは何?
川場田園プラザはあらゆるランキングで1位を獲得している。
川場田園プラザが第1位を獲得したランキングは次が挙げられる。
川場田園プラザが第1位を獲得したランキング一覧
- 「関東好きな道の駅」 第1位(2004~2008年)
- 「家族で1日楽しめる道の駅」 東日本第1位(2011年)
- 「関東 道の駅アワード2014」 みんなの№1
川場村の厳選された食材を都会の客にも味わってもらえるようにとプレミアムな道の駅として生まれ変わった川場田園プラザは、このように多くのランキングで1位を獲得している。
しかし、川場田園プラザを考案した永井は、実は他の道の駅をほとんど見たことがなかった。
つまり、他の道の駅を参考にすることなく、「独自の世界観」で川場田園プラザ造りあげたのである。
ほか道の駅を知らない永井は、川場田園プラザのイメージとして、東京ディズニーランドや都内の高級スーパーを連想。
さらに「一流のおもてなし」を研究し、人口の少ない川場村にあった道の駅を誕生させたのである。
川場田園プラザは190万人の来訪者を集める地方創生の成功例として国土交通省から「道の駅のモデル」に認定された。
驚異的な集客を生み出している川場田園プラザの成功の秘訣とはなんだろうか。
川場田園プラザを成功に導いた「永井流 田舎でも勝てる秘密」とは?
もともと永井は、地元の造り酒屋の5代目として活躍していた。
日本のみならず世界で評価される日本酒を目指し、吟醸酒「水芭蕉」やシャンパン風「スパークリング酒」で数々のヒット商品を生み出していた。
しかし、その頃、永井の地元の道の駅・川場田園プラザは赤字に転落。
そこで村が川場田園プラザの立て直しを託したのが永井だった。
永井は徹底した社員の意識改革やユニークな商品開発で赤字だった道の駅をV字回復させた。
そんな永井流の田舎でも勝てる経営の秘密は次のようなものが挙げられる。
永井流 田舎でも勝てる秘密
具体的にどういった取り組みを行っているのだろうか。
①“地産地消”を押し売りするな!
川場田園プラザで提供される全商品は永井が試食し・承認しなければ客前に出ることはない。
地産地消をキャッチコピーとしたからといって、販売できる訳ではないのだ。
永井は地元の食材に甘えないメニュー作りを徹底している。
②お手本はエルメス!
川場田園プラザでは、店づくりにも独自の手法があった。
東京・銀座にある話題の店を偵察するため、訪れた田園プラザの社員・大塚さん。
実は、川場田園プラザは今東京の最先端の店を徹底的に研究し、目につくオシャレなディスプレイを心がけているのだ。
田園プラザの産直売り場のイメージは、都内の高級食品スーパーやデパート売り場を参考にしている。
年商20億円!国交省から「道の駅のモデル」に認定された道の駅
永井が社長になり、田園プラザの改革を進めてから12年。
川場田園プラザは驚異的に来場者数を伸ばし、年商20億円を突破する道の駅へと成長を遂げた。
永井は「宝石のない地域はなく、人間も地域も磨けば光る。光るか光らないかはやり方と考え方だ。」と言う。
商品であれば、「品質・デザイン・価格」この3つがうまく融合しばければ物は売れない。
永井は「全てのヒントと答えは現場にある」ということを身に染みて実感していた。
今では1つ1,800円のヨーグルトが大人気となっているが、社長に就任した12年前であれば売れなかったであろうと永井は言う。
12年の時を経て、道の駅の商品・デザイン・価格や雰囲気を変えることで、訪れる客層が変わったことを肌で感じたんだそう。
1つの指標は「道の駅に止まっている車」だった。
駐車場に止まっている車種が1つの指標となり、客層が変化していることをキャッチした。
このような手がかりの見逃さない永井の徹底ぶりが、経営成功の1つの理由なのかもしれない。
何かに悩んでいる人がいるのであれば、「全てのヒントと答えは現場にある」ということを思い出して、問題解決に取り組んでほしい。