
北海道はじゃがいも、青森はりんご、岡山は白桃、福岡は辛子明太子というように全国各地には都道府県別に特産品と呼ばれる食材が存在する。
各地が特産品として売り出したい気持ちとは裏腹に、地域によってはなかなか特定の商売が根付かないということもある。
そこで、今週の「がっちりマンデー」では、新企画として「不毛の地」をテーマに放送。
「不毛の地」に挑んで成功した会社に密着取材!
スポーツのプロが根付かない沖縄。今、バスケットボールがアツイ!
沖縄といえば、常夏の島として有名だが、なかなかプロのアスリートチームが誕生していなかった。
その理由は他府県と異なり、沖縄県は遠征に行くにしても飛行機に乗らなければならない。
大人数のチームが一斉に動くとなると、交通費や人権費がかかってしまうのだ。
しかし、今、沖縄でプロのバスケットボールチームが話題になっている。
沖縄バスケットボール株式会社に所属する「fa-arrow-circle-right琉球ゴールデンキングス」だ。
沖縄キングスを見に、沖縄市の体育館を訪れると平日にも関わらず約3,200席が満席に。
県民に愛されるチームが誕生したと注目を集めている。
琉球ゴールデンキングスは2006年に結成され、昨シーズンの年商はなんと約10億円を達成。
琉球ゴールデンキングスがスポーツ不毛の地・沖縄で活躍できるのは、スポーツの参加人数にもあった。
サッカーをするために必要な人数は11人、野球は9人で補欠を合わせると20人近いメンバーになる。
しかし、バスケットボールは5人なので、+αを入れても12人程度で活動できるのだ。
「琉球ゴールデンキングス」が沖縄県民に人気の理由は?
また、琉球ゴールデンキングスの人気の理由として、お祭り好きの沖縄県民に合わせて、ド派手な演出を行っていることが挙げられる。
スポーツでは、選手の紹介の時には電光掲示板などで選手の名前などを記載するのが一般的。
琉球ゴールデンキングスはメンバー紹介で、ライブ会場のようなレーザービームと音楽のド派手な演出を行う。
選手もド派手に登場するので、試合開始前からお客さんも大興奮。
琉球ゴールデンキングスがボールを奪って攻撃に移り変わると、沖縄風にアレンジした音楽が流れてお客さんが盛り上がる。
勝負の勝敗だけではなく、ショーのような会場に来て楽しめるような工夫を行っているのだ。
選手も沖縄県民の応援がモチベーションになっているという。
また、沖縄は車社会のためラジオが普及しており、その県民性を活かして試合のラジオ放送も行っている。
そんな地道な普及活動でじわじわとファンを獲得している。
来年には新アリーナの完成が予定されており、まだまだ“がっちり”儲かりそうだ。
24時間外食チェーンにも不毛の地がある?大手牛丼チェーンの挑戦とは?
24時間営業している外食チェーンといえば、全国各地どこにでもあるのではないかと思う方が多いが、実はそうではない。
24時間外食チェーンにも「不毛の地」と呼ばれる場所があった。
訪れたのは、新潟県にある佐渡市にある佐渡ヶ島。
過疎化が進む佐渡ヶ島には、24時間営業しているファストフードの大手外食店がほとんど進出していない。
2016年10月28日、佐渡ヶ島に大手牛丼チェーン「吉野家」が初めて出店した。
どうして離島の佐渡ヶ島を選んだのかというと、都内だけでなくほとんどの地域で大手牛丼チェーンが競合し合っている。
というのも、大手牛丼チェーンの店舗数は日本国内に約4,300店舗を出店しており、大手3メーカーをみると次のようになっている。
すき家 | 約1950店 |
吉野家 | 約1200店 |
松屋 | 約1150店 |
※2019年11月時点
そこで、吉野家が目を付けたのは「佐渡ヶ島」。
本州では、2万人~3万人に1店舗牛丼チェーンが営業しているが、佐渡ヶ島は人口5万8000人の中で、牛丼チェーンが1店舗もなかったのである。
24時間外食チェーン不毛の地「佐渡ヶ島」で吉野家が成功した秘訣とは?
大手牛丼チェーン「吉野家」が佐渡ヶ島に店舗をオープンし、成功させたのには理由がある。
佐渡ヶ島に住む人たちの地域性を意識した店づくりを行ったのだ。
車移動の多い佐渡ヶ島では、どこに行くにもほとんどが車なのにも関わらず、ドライブスルーがなかった。
そこで吉野家は、佐渡ヶ島で初めてドライブスルーを導入した。
売上のうち3割のお客がドライブスルーを利用しているんだとか。
また、子供連れやファミリー層が来店しても椅子が倒れたりの心配がないよう、座敷タイプの席も用意した。
佐渡島に24時間チェーンのお店をオープンした理由はもう1つある。
深夜の営業を見てみると、深夜2時に漁業を行っているというお客がお店を訪れた。
佐渡ヶ島は漁業が盛んな島というところにも目をつけていたのだ。
漁業関係者は夜中や明け方に動いているため、24時間営業の店舗は待ちに待ったお店だったのだ。
そんな佐渡ヶ島の住民から愛されている吉野家は年間約9,000万円の売上で、新潟県の吉野家の売上ランキングでは第2位を獲得している。
関西は「納豆不毛の地」!?総務省の納豆消費量ランキングからみるデータとは?
総務省は家計調査により、都道府県別納豆消費量ランキングを発表している。
対象は全国9000世帯のうち、単身世帯を除いた2人以上の世帯の購入量だ。
この調査によると、地域によって納豆の消費量に驚きの傾向があった。
2016年度の都道府県別納豆消費量ランキングでは、全国の平均的な納豆消費額は年間3,541円。
上位には関東が多く、関西で28位の滋賀県が納豆の消費量のトップとなり、下位の41位からはほとんどが関西という結果となった。
つまり、関西では納豆の消費量は低く、トップの福島県と最下位の和歌山県を比べると3,791円の差があり、納豆1パック(3個)を130円としても30パック以上の差が出ているのだ。
納豆不毛の地「大阪」にバカ売れする納豆とは!?
先ほどのデータから、関西は納豆不毛の地であることが分かった。
しかし、大阪で「納豆」で勝負を挑み、成功した会社がある。
そんな納豆を作っているのは「fa-arrow-circle-right小金屋食品株式会社」。
小金屋食品株式会社が作る「なにわら納豆」は、納豆の独特の臭いを抑えた「納豆」としてテレビやメディアで紹介され、人気が高まっているそう。
「糸物語」が納豆の匂いを抑られる秘密は、低温でじっくり発酵させていること。
本格的な納豆だから納豆特有の臭いがほとんど感じない。
それは納豆不毛の地とされていた大阪や関西人がこぞって注文する納豆になったのだ。
そして、小金屋食品株式会社は従業員数9名と小さい会社でありながら、年商8,000万円を売り上げる企業になっているのだ。
不毛の地といわれる場所で、勝負することははっきりいって難しいだろう。
しかし、琉球ゴールデンキングスや吉野家、小金屋商品のようにその地域の特性を掴むとその先は成功へと繋がっている。
不毛の地と言われる場所で戦うとカッコイイひとり勝ちができる未来も近いかもしれない。