ガイアの夜明けは2002年4月から約17年半、延べ850回以上放送されてきた。
現・2代目の案内人である俳優・江口洋介さんは、初代・役所広司さんからバトンを引き継ぎ、約500回(497回)にわたって案内人を務めている。
来年1月7日の放送より、3代目案内人として女優・松下奈緒さんが起用されることとなっている。
番組初の女性案内人だ。
2010年1月5日より約10年間、案内人を務めた江口さんが訪れた現場はなんと278ヵ所。
江口さんは過去に訪れた現場は今、どうなっているのだろうか。
今週のガイアの夜明けでは、【2019特別企画】として“闘う現場”10年の軌跡に密着!
「電気自動車ウォーズ」日産自動車・元CEOカルロス・ゴーン氏の逮捕
江口さんが2代目案内人としてスタートしたのは、2010年1月5日放送の「電気自動車ウォーズ」だった。
当時、fa-arrow-circle-right日産自動車は電気自動車「リーフ」を開発しており、同年に世界初の量産型電気自動車として販売されるようになった。
日産自動車は自動運転などの画期的な技術に対して、積極的に取り組んでいた。
しかし、2018年に日産自動車の元CEOであったカルロス・ゴーン氏が金融商品取引法違反などの疑いで逮捕された。
これにより、日産自動車の検査不正などが発覚し、ブランド力は失墜してしまった。
災害時の“バックアップ電源”に!電気自動車「リーフ」は被災地をめぐる
カルロス・ゴーン氏の逮捕から約1年。
今年10月、日産自動車の大神さんは台風で大きな被害を長野市で電気自動車「リーフ」を走らせていた。
指揮を執る大神さんは、かつて専属の広報としてゴーン氏の右腕と言われていた人物だ。
リーフの使い方は「移動手段」ではなく、災害時の“バックアップ電源”になっているんだとか。
大神さんは長野市の災害ボランティアセンターへ向かった。
ボランティアセンター付近では、電柱が倒壊したことより、停電が続いていた。
大神さんは電気自動車「リーフ」のバッテリーをコードに繋げて、建物に電気を送った。
実は、リーフのバッテリーは一般家庭が通常で使用する4日分の電気を供給することができる。
思いがけないリーフの活躍に、ボランティアに訪れた人々は「被災地は真っ暗だから大助かり」と感謝の声を伝えていた。
日産自動車は、無償で約70台のリーフを全国4ヵ所の被災地に提供することに決めた。
大神さんは「彼の経営の仕方を目の当たりにして改革をどう進めればいいのか見てきた。」と話し、自分なりの解釈と会社が置かれている立場を鑑みて、大神さんなりの信頼回復の取り組みを行っているのだという。
ここ10年で東京の街は大きく変化していた
東京の街は近年、大きな変化を遂げているが、中でも大きな変貌を遂げたのが“渋谷”だ。
7年前、江口さんは東京大改造計画が行われていた明治通りのど真ん中を訪れていた。
地下には巨大な空間が広がり、東急電鉄が渋谷駅を地下化し、地上の再開発に挑んでいた。
渋谷スクランブルスクエアや渋谷パルコがオープンし、2020年6月には宮下公園がリニューアルし、3階建ての商業施設になる予定だ。
この1年半の間に駅から半径200mいないに700弱のお店ができるというのだ。
ファストファッションブランド「Foever21」が日本から完全撤退
2010年5月の放送では銀座デパート最終戦争としてファストファッションブランド「Foever21」に密着。
現在、Foever21は2019年10月をもって日本事業を終了し、完全撤退を行うことを発表している。
2009年4月に日本に上陸したForever21は最盛期には全国22店舗まで拡大していた。
国内に14店舗が運営されていたが、「米連邦破産法11条の適用申請」を行い、全店舗を閉店することを決めた。
2012年にはアメリカンイーグルが日本に上陸し、話題となった。
しかし、アメリカンイーグルも年内に国内全店が閉鎖することが決定した。
ここ10年でファストファッションブランドの一大ブームが過ぎ去ったのである。
”恋愛禁止、携帯禁止、入社後は坊主”が鉄則だった「秋山木工」の働き方は今──
働き方改革などの政府の取り組みにより、ここ10年で働き方大きく変化した。
2010年8月31日、「"ゆとり世代"を鍛えろ!人間性をみがく魂の人材育成」が放送された。
この回ではオーダーメイド家具を手がける有限会社「秋山木工」が登場し、社長の秋山さんが手掛ける厳しい修行の丁稚制度に密着した。
社則として恋愛と携帯電話の所持を禁止し、入社後しばらくの間は全員頭を坊主にしなければならない。
「秋山木工」の1日は早朝のランニングで始まり、その後には近所の清掃を行っていた。
放送当時の2010年というのは、“ゆとり世代”が入社して間もない年だった。
そのような過酷な制度を設けていた「秋山木工」は今、どうなっているのだろうか。
変わる働き方、変わらない働き方
2019年、9年ぶりに「秋山木工」を訪れると、早朝にランニングをする社員の姿があった。
早朝のランニングを行う風潮などは当時と変わっていないようだ。
パワハラなどが問題視される現代だが、秋山木工の採用枠は毎年10倍以上の応募がある。
社員にパワハラだとは思わないのかと尋ねると、京都大学出身の内藤さんは「秋山木工に入るくらいの人だったら、そんなふうに思わない。」と答える。
「困っているときに『困っている』と言って何が悪いのか」苦境のいきなりステーキの訴えとは
ガイアの夜明けでは、多くの外食産業にも密着してきた。
2013年に開業し、立ち食いのステーキ屋として一世を風靡した「いきなり!ステーキ」は、約500店舗を展開している。
2019年9月には「『肉』の王 戦国時代!~外食王第7弾~」として起死回生をかけたいきなり!ステーキの改革の現場にも密着していた。
しかし、同じスタイルのお店が乱立し、その経営は「利益51.9%減」と苦境に立たされている。
この冬、全国の店頭に「ペッパーフードサービス」の社長である一瀬氏の直筆メッセージが掲載されたことで、話題を呼んだ。
「お客様のご来店が減少しております。このままではお近くの店を閉めることになります」。
この言葉の真意について尋ねると、一瀬さんは「困っているときに『困っている』と言って何が悪いのか」と語った。
さらばガイア!江口洋介さんからのメッセージ
2000年に入り、約17年半もの間案内人を務めてきた江口洋介さん。
497回の放送で287か所の現場を巡ってきた。
番組に対する想いは強く「自分にとっても実りのある時間で、どんどん地に足をつけていきたい。これからは一視聴者として、ガイアの夜明けを観ていきたい。」と語った。
2020年1月の次回の放送より、3代目として松下奈緒が案内人を務める。