
日本フランチャイズチェーン協会の発表によると、2019年のコンビニ市場は10兆3421億円と2年連続で増収。
驚異的なスピードで拡大を続けてきたコンビニ市場。
しかし、現在は既存店の客数がなかなか伸びず飽和状態といわれている。
そんな中、「fa-arrow-circle-rightナチュラルローソン」は33カ月連続増収と絶好調。
3月26日のfa-arrow-circle-rightカンブリア宮殿では、ナチュラルローソンの知られざる戦略と進化に迫る!!
放送で紹介された内容をわかりやすく3分で読めるようネタバレとして紹介をしています。
目次
少ない店舗数が強み!? 尖った商品販売と商品実験ができる「ナチュラルローソン」
飽和状態と言われ、これ以上の客数を獲得することが難しいと言われているコンビニ市場。
fa-arrow-circle-rightローソンが増収増益を続けられている理由は何なのだろうか。
実はその裏には「新感覚のスイーツ」を武器にして戦略を行っていた。
50歳を迎えるローソンの社長である竹増さんは「とがっているからこそ、マスに売れる」という。
ナチュラルローソンは、2001年に東京・自由が丘に1号店をオープンして以来、多少高くても良いものを欲しがるプチ富裕層に支持されてきた。
店内で焼き上げる焼きたてパンや健康志向のオリジナル商品など、コンビニとしては珍しい商品を販売している。
その結果、ナチュラルローソンは女性客のハートを掴んで女性客を増やしている。
ナチュラルローソンは、首都圏にしか運営されておらず、店舗数は145店舗のみと通常のローソンの100分の1となっている。
店舗数は少ないものの、その店舗数こそが「尖った商品」を販売できる強みだという。
さらに、その強みを生かして「商品実験」として、ナチュラルローソンでヒットしたものを全国展開のローソンで展開することも。
今や全国のローソンで大ヒットとなっている“ブランパン”や“グリーンスムージー”もそのうちの1つ。
グリーンスムージーは販売から5年で1億9000万本を売り上げ、ローソンに並ぶナチュラルローソンブランドの商品は約100品。
竹増社長は年間500店舗を視察し、店長や店員たちの「生の声」を大切にしているという。
【街行く人に50人に調査!!】よく行くコンビニは??
大手コンビニチェーンの平均日販は次のようになっている。
■大手コンビニチェーン平均日販
セブンイレブン | 65.9万円 |
---|---|
ローソン | 54.3万円 |
ファミリーマート | 54.0万円 |
売り上げはセブンイレブン、ローソン、ファミリーマートの順番となっている。
これが本当なのかと番組が街で「よく行くコンビニは?」調査を取ったところ、セブンイレブンは「食べ物がおいしくて、近くにもあるから行こうと思う」、ローソンは「モンブランやティラミスのカップケーキがあって好き」、ファミリーマートは「会社の近くにあり、昔から使っている」と話す。
その結果、セブンイレブンが34票、ファミリーマートが9票、ローソンが6票、その他が1票という結果になった。
実は、ローソンは万年2位としてセブンイレブンの背中を追いかけてきた。
そんな中、2016年にはファミリーマートとサークルK・サンクスが経営統合し、ローソンは店舗数で逆転されて3位になってしまった。
新感覚のスイーツで客のハートを掴む!!ナチュラルローソンの戦略
竹増社長は2016年にローソンの社長として就任。
竹増社長が目指したのは、今やローソンの看板商品となった「プレミアムロールケーキ」を超える新しいスイーツを開発すること。
そこで、竹増社長は女性目線の開発を行うため、女性開発チームを作って権限を与えた。
そして彼女たちが開発し、誕生したのがバスク風チーズケーキの「バスチー」だ。
北海道産の生クリームと卵黄を使用し、しっとり濃厚なバスク風チーズケーキのお値段は215円(税込)。
2019年3月末の販売開始以降、バスチーは大ヒット商品となり、なんと販売発売から3日間で100万という驚異の数字を叩き出した。
販売から約5ヶ月時点で累計販売数1900万個と人気を高めている。
商品開発で竹増さんが変えたのは、商品開発の過程。
これまでは開発担当者から部長代理、部長、本部長補佐、副本部長、本部長、社長の順で試食などを行っていたが、その過程を飛ばしてダイレクトに社長の元へ行くルートにした。
社内改革でヒット連発!!未来型店舗「ローソンGO(ローソンゴー)」
働き方改革が叫ばれる昨今。問題となっているのは長時間労働の問題。
ローソンも元旦に25都道府県にある102店舗を休業した。
少子高齢がが進んでいることで働き手不足となり、コンビニの店員には外国人労働者が欠かせなくなっている。
そんな外国人労働者を支援する取り組みも始まっていた。
ローソンは新たな実験店舗「ローソンGO(ローソンゴー)」を富士通の新川崎テクノロジースクエアにつくっていた。
ローソンゴーとはレジなしの店舗で、商品を手に取ってそのまま店を出ると自動的に精算が終わっているという画期的なシステムだ。
専用アプリをダウンロードし、入店の際にはアプリに表示されたコードをかざす。
すると自動ドアが開き、20台以上のカメラが誰がどの商品を手に取ったのかを監視している。
さらに、手に取った商品を把握できるように棚には重量計がついているという。
商品をもって店を出ると、その時点で事前に登録してあったクレジットカードで決済を行う。
この店舗の運営がうまくいけば、夏には一般向けの店をオープンする予定で「レジの無人化」の取り組みに力を入れている。
時代の流れに合わせて進化し続けていくコンビニ「ローソン」。
ローソンは高級チョコレート店「Godiva」やさまざまな人気キャラクターとのコラボも積極的に行っている。
こういった時代に合わせた取り組みが増収増益を続けられている理由なのかもしれない。