今回は森岡毅さんが書かれた全ビジネスマン必読の1冊"USJを劇的に変えた たった1つの考え方"について解説します。
まとめるとすればビジネスマンとして活躍するための必修科目であるマーケティングの本質がわかりやすく解説されてる1冊なんでございます。
マーケティングっについて説明しきれないビジネスマンの方にはおすすめの一冊です。
まず本書の著者である盛岡さんといえばご存知の方も多いと思いますが、日本を代表するマーケティングの使い手。
いわゆるマーケターの方でございます。
低迷していたUSJ、ユニバーサルスタジオジャパンを大改革した方です。
なんと来場者数をあのディズニーランド以上にしたという伝説をもつ最強のマーケターの1人です。
森岡さんは本当伝説的存在でして、そもそも東京にあるディズニーランドと大阪にUSJじゃあ、東京の方が全然人口が多い理由でディズニーの方が圧倒的に有利なんです。
しかも、知名度も資金力もディズニーの方が断然上。
普通なら絶対勝てるはずがないのにそんな中で少ない予算でも実現できるマーケティング施策を1つずつ成功させていき、最後はハリーポッターのエリアを作って大逆転という、漫画がみたいなことをやってのけた方なんです。
本書は、マーケティングの神であるマーケター森岡さんが書いてくれてるので超実践的なんです。
さらにマーケティングのマの字も知らんぞという形でもうマーケティングの本質がわかるように優しく解説してくれているので読みやすい一冊でもあります。
ここまでの内容で皆さんなんとなくがお察しいただいているかと思いますが、今回はマーケティングについてのお話をするわけなんですけども、まず先にこれだけは言わせといてください。
マーケティングは重要でありながら、一方で別に難しいもんではない、ということです。
マーケティング部とかなんとか戦略とかそういう横文字の部署のエリートたちだけが使うと難しいテクニックでしょう、と思って閉じないで欲しいんです。
マーケティングは商売の根幹、もしくはこの資本主義社会を勝ち抜くための成功法則と思います。
ですので冒頭でもお伝えした通り、ビジネスマンにとっての必修科目でございます。
そしてそれが苦手な人とか会社が多すぎるので日本は海外に勝てず低迷を続けているんです。
日本を救うためにもみんなでマーケティングの本質をとらえていきましょう。
そして、全然難しい話でもありません。
マーケティングの話が出ると学者気取りの人が4Pのフレームワークとか3Cとかファイブフォース分析、MBAがどうとかマーケティングの定義が間違ってるとかなんとか言うけどもシカトでOKです。
私もマーケティング関連の部署で働いてきましたが、そういう学者気取りの人はだいたい言うほど、ビジネスの成果を出しません。
そんな学者気取りの知識コレクターにはフルシカトを決め込んで現場で勝てるマーケティングを森岡先生から学んでいきましょう。
ここからが本編マーケティングとは何なのかという話をさせて頂きます。
マーケティングとは?
マーケティングとは何なのか。
一言で言えば売れる仕組みを創ることです。
売れる商品を職人のように作ることではありません。
売れる仕組み全体を設計することなんです。
もう少し詳しく言うと、4Pなんていう言葉がよく変わりますが、
- Product
- Price
- Place
- Promotion
の4つのPを、つまり商品と値段と販売ルートと宣伝方法をうまいこと組み合わせて売れる仕組みを創ること。
これがざっくりマーケティングのお仕事なんです。営業の仕事と比較するとわかりやすいかもしれません。
営業っていうのは売れる仕組みを創るっていうより最前線で商品を売る仕事ですよね。
売り込むお仕事です。
その一方でマーケティングっていうのは自然と商品が売れる仕組みを創る仕事ですから、極端な話、営業マンが売り込まなくてもいい状況を作るのがマーケティングの仕事なんです。
売れる仕組みを創るのがマーケティングでその仕組みを使って最前線で売るの営業ということです。
マーケティングとは売れる仕組みを創ることこれも1つの定義でしかありません。
盛岡さんみたいに企業でマーケターとして働くとなるとこの認識でまず間違いないと思いますが、教科書的な言葉の定義で言うと実はもっと広いんです。
マーケティングって言葉は教科書的には、商品を売る活動全体を指すのでそれこそ営業も含まれちゃいますし、いやいや、もはや経営全体を指すんだと学者さんとかで多いですけども。
かなり広い意味で使う方もいらっしゃいます。
逆にですよ、SNSとかブログのSEOでブイブイ言わせてるインフルエンサー的な方が使うWebマーケティングって言葉はこれはかなり狭い意味です。
売れる仕組みを創る中でもウェブ上限定のさらにフォロワーを増やすとかクリックさせやすいワード選びみたいなこと限定のかなり狭い意味合いでのマーケティングです。
結論どれも間違っていません。
広い意味で使ってるか、限定的な意味で使ってるかのこの違いだけなので。
ただ今回は企業で働くサラリーマン向けという言葉もありますし、盛岡さんの方法を参照させていただいていることもあるので売れる仕組みを創るこれを定義として進めさせてください。
そのマーケティングとやら売れる仕組みを創ることがめちゃくちゃ大事なのかって話です。
昔から大事なんですが、今の時代何でさらに大事になってきてるかって言うとそれは技術が簡単にパクられるようになったからです。
昔は伝統的な技術とか商品をパクるのって難しかったんですよ。
職人の鍛錬でしか実現できないような技があったので。
ただ、今は設計図と機械さえ揃っちゃえば真似できないことがほぼありません。
そして、その設計図の情報を隠そうにも絶対どこかに漏れ出てしまうぐらい情報の動きが活発になってしまいました。
という洗練された技術とか、こだわりの商品力で差をつけられない中でできることはマーケティングでの差別化しかありません。
商品力以外の価格とか、販売ルートとか、宣伝方法をうまいことデザインして、売れる仕組み全体を作り上げることです。
その仕組みづくりが圧倒的にうまいのがアメリカのマクドナルドとかコカコーラとかピーアンドジーみたいな大手企業です。
だって、マクドナルドより美味しいハンバーガー、コカコーラより美味しいジュース、ピーアンドジーより髪の毛がサラサラになるシャンプーを作れる会社なんて日本にも5万とあるんですよ。
ただ、これらの会社にマーケティングで勝てる会社がない。だから、日本企業はアメリカ企業に美味しい所は全部持ってかれてしまうんです。
なぜ日本企業はマーケティングが弱いのか、それは正直日本の商売の歴史を振り返ってみると、しょうがないとも言えます。
ざっくり言えば日本企業はマーケティング以外を頑張りすぎてきた歴史があるんです。
まず、高度経済成長を迎える前の日本は国の規制が非常に強かったです。
ルールが厳しいので海外と比べると自由に商売できる感じではありませんでした。
なのでお客さん視点でマーケティングなんかするよりも、政財界の大物と仲良くなって自分の商品に有利な法律を設置してもらうみたいなことの方が断然優先順位が高かったんです。
ただ時は流れ、商売の自由化が進み、ついに高度経済成長期には海外企業とも戦う必要が生まれました。
普通なら政財界の大物とつるむことを最優先ミッションにしてきた日本は、海外企業のマーケティングに瞬殺されそうですが、まさかの展開そうならなかったです。
日本のもう1つの特徴。努力と根性を厭わない、職人が功を奏してモノづくりの技術の方で世界を圧倒します。
トヨタやソニーを中心に島国に閉じこもって、色々やってるだけかと思ったらその技術は世界的に見ても超一流だったんです。
その技術力で日本は高度経済成長期において完全武装しますが、その技術が真似されちゃうようになってからは最大の強みを奪われる形になり、みるみる落ちぶれていきます。
今となってはアメリカと中国の企業に攻め込まれてしまってるので、さすがに「そろそろマーケティングっていう武器使わないとやばくない?」と、みんなうすうす気づいてはいます。
気づいてはいるんですが、もう昔ながらの政財界の大物とズブズブになる技術を根性で極める、という作戦がもはや日本企業の文化になってしまってるんでなかなか抜け出せないんです。
だからこそ、我々個人が気を引き締めないといけません。
アメリカは19世紀後半、約150年前からマーケティングをゴリゴリやり続けてるわけで、それと比べたら日本は完全にマーケティング後進国です。
普通に日本企業で働いてたらマーケティングを専門とする部署がないぐらいですから、マーケティングに疎くなってしまいます。
ですので、その対策としては個人個人が勉強しないとダメなんです。
日本企業が苦手だってことはわかったけど、じゃあ一体俺たちは何をすればいいの?となると思いますのでお伝えします。
マーケティングにおいて具体的におこなうこと
結論、
- お客さんの頭
- お店の棚
- 体験
これら3つをコントロールしましょう。
これがマーケティングなのです。
まだよくわかんないと思いますので、それぞれ詳細に解説していきます。
お客さんの頭をコントロールする
まず1つ目、お客さんの頭というポイントです。
ここをコントロールすることがマーケティングにおいて1番大事と言っても過言ではありません。
そもそもマーケターが持つマーケティング思考っていうのはお客さんの頭の中を想像することから始めます。
一方で日本企業はマーケティングネタなので、お客さんではなく技術から始めたので失敗をしてきました。
マーケティング思考であればお客さんの頭の中にある、「こんな商品がほしいかも」というそのリクエストに応じて商品作りや宣伝をやって行くんですが、技術重視の日本企業は「実験してたらこんな商品できたから売てみるか」みたいな感じでお客さんの頭の中を無視してやっちゃいます。
これはマーケティングにおいて絶対やってはいけないことです。スタート地点は技術じゃなくてお客さんの頭の中なんです。
まずはそこから始めないといけないんです。
お客さんの頭の中をコントロールするために攻めるべきポイントは大きく分けて2つ3。認知とブランドです。
要は、お客さんの頭の中を「その商品を知ってるし、大好きだ」という状態にするんです。
認知があるって言うのは「お客さんがこの商品を知っている」という状態。
ブランドがあるって言うのはさらに進んでお客さんが良い印象を持っているという状態です。
まず認知。
知ってもらわないと買ってもらえる可能性はゼロです。
なのでまず知ってもらうこと。そのために各社はテレビCMとか広告とかSNSを頑張ったりします。
そして、知ってもらうだけでは買ってもらうとこまでは行けないのでさらに好きになってもらわないといけません。
好きになってもらうためにはお客さんの頭の中にイメージを植え付けないといけないです。
例えば、ベンツだったら
- 3ツ星のエンブレム
- 黒光り
- ドイツお金持ちが乗ってそう
- 反社的なグレーな人も乗っているかも
みたいなイメージ。
吉野家なら
- オレンジの看板
- 早い
- うまい
- 安い
- ホカホカでつゆだくの牛丼
- 1人で黙々と食べる働く男達
みたいなイメージ。
こういう特定のイメージをお客さんに思い浮かべてもらうことがブランディングです。
商品名を伝えてもお客さんにイメージしてもらえる映像、音、味、匂いが何もないのであればそれはブランディングできてないってことです。
買ってもらいたいお客さんに商品が買いたくなるようなイメージを思い浮かべさせるためにテレビCMとかSNSを駆使することがマーケティングの最重要ポイント。
お客さんの頭の中をコントロールするということなんです。
棚をコントロールする
続いて2つ目お店の棚をコントロールします。ざっくり言えば先ほどのポイントでお客さんの頭の中をコントロールして買ってみたいと思ってもらったじゃないですか。
その時にちゃんと棚に並んであるようにすること。
そして、この価格ならちょうどいいねっていう値段に設定しておくということです。
棚ににちゃんと並べること。そして、ちょうどいい値段設定にしておくこと。
これら方で地味ではありますが、マーケティングの1部です。
そうですね。そもそもどの店に並べるかも慎重に考えないといけません。
お菓子のじゃがりこを高級そうな百貨店で売ったら、売れないですし、高級時計のロレックスをコンビニで売ったら売れないし、ブランドが死んでしまいます。
あと、サプリとか青汁は薬局とかをメインとして以前は売られてましたけど、今はそういった健康食品を売って1番稼いでる人達はネット通販っていうWeb上の棚を主戦場としています。
ターゲットとなるお客さんが買いたいと思った時に真っ先にどこに足を運ぶかを予想して、まるで罠を仕掛けるかのようにそこの棚に置いておく。
これも非常に重要なマーケティングのお仕事です。
そして価格も大事です。棚に並んでいてもその価格が丁度良くないと買ってはもらえません。
ここで大事なのは安ければOKでは決してないということです。
例えば、ロレックスを2980円で売っちゃったりしたらすぐ一時的に暴売れするかもしれませんが、ブランドが死にますし、利益率が壊滅、ロレックスに未来はなくなるでしょう。
売れないからといって値下げに走るのは思考停止のやっつけ仕事です。
商品に付加価値をつけて、そしてこれからもより一層の付加価値を付けられるように値上げをしていくのが一流マーケターのお仕事。
森岡さんは実際にあのディズニーランドより先に値上げを断交。2番手なのに1番手より先に値上げをしてみせました。
同時に来場者数を増やしてますんで、意味不明なぐらいすごいお仕事です。
日本企業はどこも値上げが死ぬほど苦手なので、どんな業界も付加価値対決じゃなくて、安さのしばき合い対決をやってしまいがちです。
そのせいで会社は儲からないし、結果として我々サラリーマンの給料も上がらないという自分の手で自分の首を絞めるみたいなことをずっと続けてます。
継続的に良い商品、サービスを提供するためにも適切なタイミングで隙あらば値上げをすること。
マーケターとしても消費者としても値上げを悪いものだと切り捨ててはいけません。
値上げも立派な企業努力の1つであり、値上げすることで売上も利益も高めていくのが一流マーケターのなすべき仕事だと覚えておきましょう。
体験をコントロールする
そして、最後に3つ目体験をコントロールするというポイントです。
これは実はマーケティングっていうよりも日本企業が得意な技術とか商品力に関わることだったりするんで、かなりさらっと説明するにとどめますが、要は、売れる仕組みをうんぬん言っても最終的にはやっぱり良い商品とか良質なサービスを提供しないと駄目だよってことです。
良い商品を提供してお客さんに「何て良い商品なんだ!」「絶対また買いたい!」「みんなにオススメしたい!」って思ってもらうこと。そういう体験をコントロールすること。
これもマーケティング、売れる仕組みを創る上で大事な事なんです。
俺はリピーターを増やすという効果的なマーケティングになります。
トライアル何て呼び方をしますが、全くはじめましてのお客さんに初めて知ってもらって、それから良さげなイメージを持ってもらって、こんな棚にこんなん値段で売ってるっていうことをアピールするのは、めちゃくちゃ大変なんです。
一般的にトライアルのお客さんにはリピーターに買ってもらうより、5倍ぐらいにお金も労力もかかると言われています。
なので効率的な売れる仕組みを創るためにはリピーターの存在が不可欠です。
ですので、なんだかんだマーケティングの総仕上げとして良い商品を提供しないといけないです。
悪質な商品だったら結局ブランドイメージを落とすので全部台無しになります。
とは言いながらも、「可能な限りの最高品質を目指そう」とかなると、結局日本企業特有の職人芸みたいな世界に迷い込んでしまいので、合格ラインのちょっと上を目指すようなイメージでしょうか。
商品のイメージと、その価格からお客さんが抱く期待を少し超えてあげるような、そんな商品を提供することが求められます。
まとめ
ということで今回は森岡毅さんが書かれた"USJを劇的に変えた たった1つの考え方"について解決しました。
本書をザックリでまとめるとビジネスマンとして活躍するための必修科目マーケティングの本質がわかりやすく解説されている一冊です。
そのマーケティングとは何なのかというと、一言で言えば売れる仕組みを創ること。
売り込もうっていう営業重視な考え方とは違います。
また、マーケティング思考はお客さん重視な考え方なので、こんな技術ができたからもうちょっと商品にしてみるかっていう技術重視とも違うものです。
お客さんのニーズを出発点に売れる仕組みを創り上げる。これがマーケティングの考え方です。
具体的にどんな仕事をすればいいのかって言うと
- お客さんの頭
- 棚
- 体験
これら3つのコントロールです。
まずお客さんの頭。知ってもらってさらに思わず商品を買いたくなるような、そんなイメージを抱いてもらうこと、これがマーケティングにおいて最重要です。
と続いてお店の棚。商品が買いたくなったお客さんがつい買ってしまいそうな棚に抜け目なく商品を設置しておくこと。ちょうど良い値段にしておくこともに大事です。
そして、最後に体験。これはマーケティングっていうよりも商売全体における基本ですが、最終的には良い商品とか良いサービスを提供して期待をほんのちょっと超える顧客体験をしてもらう。
ちゃんとリピーターになってもらう。
こんな流れでお客さんの頭、お店の棚、体験っていう一連のステップがスムーズに気持ちよく流れていくように全体を設計するのがマーケティングのお仕事なんです。
最後に改めて補足としてですね。
まだこれでもマーケティングがよく分からんともっと噛み砕いて1つだけのアクションプランにまとめてくれって言うそんな方のためにまとめさせていただきます。
1つだけお客さんの本音を突き止めるこれだけをやってください。
マーケティング部に所属していなくてもたとえ営業でも。エンジニアでも、YouTuberでも、会計士でも、お客さんの本音を突き止めるこれができる人はマーケターです。
というのも、本書の中でもお客さんの頭の中をコントロールすることがマーケティングにおいて重要だと語られているんですが、その出発点がそもそもお客さんの頭の中、心の奥底にある本音を理解することにあるかです。
ただ注意点として、この本音っていうのはちょっと想像してわかるぐらいのものじゃダメです。
そんなものでは本音を突き止めたとは言えません。
お客さんの生活とか、習慣を考えた上でターゲットとなるお客さんを自分に憑依させるぐらいにお客さん視点になった上で突き止める欲望とか恐怖、不安こそが本音です。
なので人に言えないぐらい恥ずかしいものだったりします。なので、直接聞いても答えてくれません。
その人の行動を観察して想像して、えぐり出すわけです。
例えば、これは有名な話ではありますけどもマクドナルドのお客さんに「どんなハンバーガーを作って欲しい』」か聞いたらですね。
最近は、「健康を意識してるからヘルシーなハンバーガーを作って欲しい」とか言うんですよ。
ただこれは本音ではありません。
なんなら嘘です。マクドナルドに来るお客さんの本音は、今日だけは無茶したい。それだけなんです。
日頃は食事を健康的にしようと気をつけてるかもしれませんけども、あの刺激的な赤と黄色の看板の前に訪れた人間は、もう覚悟ができているんです。
なんか嫌なことがあったのか分かりませんが、溜まった鬱憤をビッグマックとポテトと一緒に胃袋に流し込むとしてるんです。
そこにヘルシーだのなんだのっていう意識高い理性はありません。
コーラはせめてゼロカロリーにしとこうかな、みたいな雀の涙ぐらいの理性しかない。
もう1つこれも面白いですが盛岡さんがUSJのクリスマスを盛り上げるためにファミリー向けに打った広告もまさにそれです。
その広告でのメッセージは"子供と楽しめるクリスマスはあと何回もない"というようなものです。
当初は、USJのクリスマスは昼も夜も楽しめる、みたいな爽やかな内容だったんです。
ただそれってまさしく学者気取りのマーケターが、「夜に比べて昼の来場者数が少ないんで昼縦横を訴求してタッチポイントがどうのこうの…」みたいな本音を入れてないアプローチでそれはマーケターのお仕事ではありません。
盛岡さんがえぐり出した一般家庭のお父さんの本音はですね。
「まだ娘は小さくて、自分に懐いてくれて今は一緒に遊園地とか言ってくれるけども、いつか俺じゃなくて彼氏とかと行くようになっちゃうんだろうな、そんなのやだやだ」みたいな恥ずかしくて人に言えないような不安です。
私が考える真のマーケターは、こういう本音を突き止められる人です。
お客さんは本音を言えません。恥ずかしかったり、もしくは自分の本心に気づけてなかったりでいずれにせよ本音を語ってくれません。
その大前提を踏まえた上でターゲットとするお客さんが発する言葉、一挙手一投足からその人自身も気付けてないような本音をえぐり出す。これが本当のマーケターだと思います。
これは仮にマーケティング部とかそういう大層な部署にいなくても、なんなら学生でもおばあちゃんでもできることです。
人間は本音を言わない。その前提で本音をえぐり出すマーケターを目指すのであれば、まずそこから行動して見ていただければと思います。