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カンブリア宮殿|能作(タンブラー)のデザイン性の秘密はロイヤルティー契約にあった!!
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9月12日(木)夜10時から放送の「カンブリア宮殿」では、純錫100%を使用したタンブラーなどを製造する“能作”が取り上げられていました。

"魅惑の器"として、日本国内だけではなく、世界の「NOUSAKU」になった能作。

今回は、能作の下請け町工場の時代の苦労や世界進出するまでの秘話に迫ります。

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純錫のグラスでキンキンに冷えたハイボールを

番組冒頭、東京調布市「ダンダダン酒場」の店内では、肉汁焼き餃子(6個/497円)を目当てに店を訪れる人々が。

肉汁焼き餃子が飛ぶように入れていく理由はモチモチの皮とあふれ出る肉汁。

最近では、餃子ブームが巻き起こっていますが、その勢いは留まることを知りません。

しかし、この店が客を呼び込むにはもう1つの理由がありました。

それが銀色のタンブラーに入ったキンキンに冷えたハイボールです。

このタンブラーは純錫100%で作られており、熱伝導率が高いので氷が溶けにくいのです。

そんなタンブラーを製作しているのは100年前の創業時は下請け町工場だった「能作」。

能作では、飲み物を注ぐとキンキンに冷えるタンブラーや、金属なのに手で曲げられる変幻自在のカゴなど、他にはない錫100%の商品で注目を集めています。

純錫でつくられたタンブラーは居酒屋にある一般的なジョッキを比べると値段は約20倍。

居酒屋チェーン店が値段の高いのタンブラーを使用しているのは“客のリピート率が大幅に高くなる”ことが理由だと言います。

金属なのに手で曲げられる変幻自在のカゴ

ある料理店は、1枚の鉄の鍋敷きを思われるもの使用されていました。

一見、鍋敷きに見えますが鍋敷きはなく、純錫100%で作られているカゴで、手で自由に曲げることができ、器に早変わりするのです。

その名も「KAGO スクエア(1万2960円)」です。

その特性を活かして、好きな大きさに合わせられるので、フルーツを置いたり、ワインケースとしても使用できます。

かつて、錫はあまりにも曲がりやすく、使いにくいため、好まれていませんでした。

しかし、今では海外でも注目されており、能作の取扱店舗は阪急うめだ店などをはじめ、全国のテパートなど12店舗で取り扱っています。

「能作」のKAGOは「NOSAKU」として世界中の美術品が集まるアメリカのニューヨークにある近代美術館にも飾られるほどの実力で、売れ行きも好調だと言います。

100年前に創業した下請け町工場から「世界の能作(NOSAKU)」に

鋳物の町として栄えてきた富山県高岡市。

「能作」の本社工場は高岡市にあり、年間訪問者数12万人を誇る県内有数の観光スポットとなっており、子供から大人まで、幅広い世代や地域の観光客が能作の工場に訪れます。

工場では、職人仕事の現場に入ることができ、貴重な鋳物づくりを間近に見ることができる見学ツアーが大盛況しています。

また、地元の食材を使い、それをすべての能作の食器で味わえるカフェや、錫100%の製品を手作りすることができる体験工房があります。

体験工房では、通常の純錫の販売価格とおおよそ同じ値段で自分だけのオリジナルの純錫を作ることができ、大変人気です。

能作が行うデザイナーとの「ロイヤルティー契約」

能作の食器の特徴は、ほかにはない美しいデザイン。

そんな能作の成功を支えてきたのが、デザイナーたちとのチームワークです。

能作では、若手のデザイナーのモチベーションを高めるため、売れた分だけデザイナーに報酬を分配する“ロイヤルティー契約”を結んでおり、商品が1個売れると、その商品の定価の3%をデザイナーに支払われます。

ロイヤルティー契約を組んでいるとたくさん売れると「これだけの人が買ってくれた」と実感することができ、魅力あるデザインの製品を生み出すモチベーションになるそう。

能作の中でも屈指の売り上げを誇るのは社長の能作さんがデザインした“風鈴/5400円”。

真鍮独特で優しい音する風鈴は「美しさと機能性とのバランス」が難しいと言います。

デザイナーに発注し、デザインを優先してしまうと美しい音がでないのです。

そのため、真鍮に詳しい社長自ら手掛けるデザインで良い音のする風鈴が完成しました。

年々、成長し続ける能作は、今年9月7日に東京・日本橋で初の路面店のオープンを控えています。

元新聞社のカメラマンから下請け職人へと変貌を遂げた現社長

能作の自慢は、「技術力」。

実は、純錫100%の食器を作るのは非常に高い技術力が必要なのです。

富山の町の下請け工場だった能が世界が注目するメーカー“NOSAKU”として生まれ変わるまでには、どのような道のりがあったのでしょうか。

代表の能作克治さんは、もともとは新聞社で働いていました。

しかし、27歳の時に婿養子として義父が経営する能作に入社します。

新聞社でカメラマンとして働いていた克治さんが下請けだった能作のビジネスを転換する決意をしたきっかけは親子のある言葉でした。

職人として働いていた克治さんはある日、工場見学に来た親子はこう言いました。

「あなたも勉強しなかたら、あんな仕事につくことになるのよ」

この言葉を聞き、克治さんは“もっと自分たちの仕事を誇れるものにしよう”、“若者が働きたいと思ってもらえる仕事にしなければ、鋳物産業に未来はない”と考え、自社ブランドの商品作りに取り掛かります。

直接の客の声や従業員の声を聞くために直営店を作り、テーブルウエアから生活雑貨、医療器具などといったさまざまな分野に商品を展開してきました。

従業員の中には、小学5年生の時に工場見学に訪れ、「ここに就職したい」と感じ、能作で働いている人もいるという。

能作の評価は日本国内だけに留まらず、アメリカやヨーロッパでも注目を集めており、アジア圏では、台湾の大手陶器メーカーと合弁会社を設立する計画も進めています。

また、高齢者に多い関節の痛みには、リング状にした錫を指に付け、関節痛の痛みから守るグッズも販売されています。

 

現場の声を取り入れて、新しい取り組みを行っていき地元に貢献する“能作(NOSAKU)”。

日本で一家に1つ純錫のものがあるようになる日も近いかもしれません。

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