2019年8月6日(火)22:00〜はガイアの夜明け。
現場で働く人にスポットをあてた、本番組は経済ドキュメンタリーとなっております。
真夏にも関わらず、各地の温泉施設には客が殺到している。
東京の東久留米に新たにオープンした巨大天然温泉施設の「fa-arrow-circle-rightスタジアムジャポン」。
日曜日には入場規制をするほどの大賑わいだ。
1,500メートル地下から天然温泉やスパークリング水風呂をはじめとした15種類のお風呂が、多くの人から大人気。
岩盤浴も関東最大級で、癒しを求めて1日中いる人も。
「スタジアムジャポン」に限らず日本の温泉は進化を続けている。
衰退していた温泉地も新しいパワーが入ることで、活性化している例があるのだ。
今回は、変革をとげる温泉の新たな魅力に迫る。
手軽さと、困難さの異なる温泉の価値
引用:由縁 新宿公式サイト
ストレスを抱えて生きる人も多い世の中では、癒し効果が抜群の温泉を求める人が非常に多い。
新宿のど真ん中に誕生した夜景も楽しめる温泉旅館
fa-arrow-circle-right温泉旅館由縁は、新宿の街中にオープンした温泉旅館だ。
なんとわざわざ箱根から温泉を運んで実現させている。
中に入るとそこは大都会とは思えないほどの風情のある空間だ。
さらに、ふと外を眺めると高層ビルが織りなす夜景の美しさも堪能できる。
今まで都会ではあり得なかった温泉の体験ができると、多くの客が集まっている。
料金も1泊9,000円と良心的。
都会に疲れた人々が、気軽に温泉を楽しむことができるようになったのだ。
登山ブームの影響で賑わう、奥地の秘境と温泉を楽しめる場所
栃木県鬼怒川の奥鬼怒温泉郷は、かつて賑わいを見せていたが少し前は観光客が減っていた。
しかし、最近になってまた盛り返しを見せてきたのだ。
登山などアウトドアの流行の流れで、行きづらい山奥の温泉を求める人が増えている。
国立公園の中にある標高1,300メートルの場所にある温泉は、まさに秘境。
トレッキングなどをして、時間を掛けて苦労をしてたどり着いた温泉は別格です。
大自然と温泉の組み合わせは、一度訪れる価値がありそうだ。
団体客の減少で衰退していた別府温泉の現状
別府温泉はかつて地獄めぐりが人気で多くの観光客で賑わっていた。
とくに新婚旅行や修学旅行などの団体客が多くを占めていたのだ。
少し前までは、そんな団体客の数は減少して商店街にはシャッターが降りるようになっていた。
しかしここ最近、外国人観光客が増えている。
多くの外国人が自国では味わえない自然豊かな場所での温泉体験を求めているのだ。
ANAインターコンチネンタルホテルの戦略
そんなインバウンド需要に目をつけたのが、世界的なリゾートホテルグループであるインターコンチネンタルホテルだ。
2019年8月に別府に新ホテルがオープンした。
開放的な空間で客室にも温泉を備えている。
まさに贅沢な体験をするのに素晴らしい施設だ。
そんなホテルだが、オープン前には様々な工夫をしていた。
インターコンチネンタルグループでは、宿泊客に想像を超える体験をしてもらうことを目指している。
また、その土地ならではの体験でお客様の経験を豊かにするというのも狙いの一つ。
宿泊部長の高良さんは、自ら地域を駆け回り地元の人にインタビューしていく。
そして地元の人しか知らない穴場をいくつか発見した。
それを活かして、宿泊客に対して知る人ぞ知る穴場ツアーを提供することに。
実際に、お客さんに地域を案内してみると反応は上々。
「自分だけでは見過ごしていた貴重なものを見られた。」と喜んでいた。
また、雨の日にも楽しんでもらうため、施設の中でアートツアーができるようにもした。
地元の九州のアーティストをいくつかの場所に展示し、さらに上質な空間に。
老舗旅館の地域への想いと戦略
一方、老舗旅館も負けじと奮闘している。
インターコンチネンタルホテルの高良さんは、ある老舗旅館に挨拶に行った。
老舗旅館の女将と対面して熱い話をして盛り上がった。
お互い、「よりブラッシュアップした別府を見せていきたい」と意見が合致。
それまで老舗旅館の女将は、周囲の人に協力を求めるも古くからいる人はどこか新しいことをするのに消極的だった。
高良さんは競合ではあるものの目指すところは同じだったので、仲間ができたと感じた女将は思わず涙するほど。
老舗旅館も古くからのものを、そのまま提供するのではなく改良させている。
例えばかつての宴会場をお洒落な食事処に改装したり、足腰の悪い高齢者のためにベッドの部屋も用意した。
そのような工夫から、新しいプランである女子宿も大盛況。
日本の魅力の一つである温泉は、まだまだ生まれ変わる
変わらない「温泉」をどう世界にアピールして、いかに体験してもらうか。
温泉地や観光業に従事している方は、考えに考えを重ねている。
しかし、大きな企画や変革は一人ではできない。
だから、高良さんや女将は周囲の人を巻き込むきっかけも積極的に作っている。
温泉地を新しく生まれ変わらせるための奮闘は、これからも続いていく。