
今週の「がっちりマンデー」では、誰しも一度は見たこと・食べたことのあるご飯のお供「ごはんですよ!」などを製造している「株式会社桃屋」に密着。
「ごはんですよ!」といえば、“のり佃煮”として子供からお年寄りまで幅広く愛されている商品。
そんな大ヒット商品「ごはんですよ!」を作る桃屋は今、どんな新商品を作っているのだろうか!?
桃屋の“がっちり”の秘密に迫る!
目次
株式会社桃屋とは?半世紀にわたり愛される「ごはんですよ!」
「株式会社桃屋」とは、東京都中央区日本橋に本社を構える大正9(1920)年4月に設立した企業。
今年で設立100年目を迎えた「桃屋」は売り上げ127億円、従業員数は297名となっている。(※2018年9月現在)
桃屋は当初、東京・京橋区南鍛冶町で「花らっきょう」や「鯛みそ」の販売からスタートしていた。
1923年には関東大震災により本社工場消失した過去も。
1930年には経営も軌道にのってきたことから、各種壜缶詰製品の販売を拡大。
1968年に「味付メンマ」、「味付榨菜」を発売し、1973年には看板商品となる「ごはんですよ!」が誕生。
「ごはんですよ!」が発売されてから約50年愛され続け、年間20万トンと販売するロングセラー商品となっている。
ごはんですよの人気の理由は「食感がいい」や「ねっとりしていて食べやすい」、「柔らかくてごはんにはもってこい」と言った声が多い。
そんな半世紀にわたって愛される「ごはんですよ!」だが、製造には莫大な投資がかかっていた。
海苔を洗うためだけに4億円かけてつくった工場!?内部はどうなっている?
桃屋では、「海苔を洗うためだけにつくられた4億円の工場」がある。
のりの原料処理を専門とする工場があるのは三重県松坂市。
「江戸むらさき ごはんですよ!」の原材料は主に三重県で養殖する「青さのり」なのだが、海で栽培しているため、そうじても葉の部分に海苔が絡まり、夾雑物が付着してしまう。
ごはんですよ!の人気の理由である「なめらかな食感」を出すには、ここでの「海苔の洗浄」が大切だという。
そこで桃屋が開発したのは、「海苔を洗うためだけ」に作った4億円の全長11mの洗浄選別槽なのだ。
桃屋の海苔の異物を除去する工程は次のようになっている。
まず、水戻しほぐし槽で、十分に海苔の葉体を開いて夾雑物を分離させる。
水槽の中である一定のスピードで海苔を流すことで、海苔に絡まった重い汚物を除去できるのだ。
次に、洗浄選別槽に付属する突起のあるマットで表面についた固い異物を引っかけて除去する。
そして、金属検出機で金属などの異物がないかを確認し、最後に最終選別として人による目視手選別を行っている。
異物を綺麗に除去できるほど、「ごはんですよ!」の食感がなめらかになる。
工場長の飯沼さんによると、「海苔を洗うためだけに4億円の工場」が「ごはんですよ!」ヒットのカギになっている。
「ごはんですよ!」などのロングセラー商品が多数!桃屋のロングセラー商品の秘密とは?
1973年に「ごはんですよ!」が誕生して以来、桃屋の看板商品として活躍している。
しかし、桃屋でロングセラー商品となっているのは「ごはんですよ!」だけではない。
例えば、1975年に販売した「キムチの素」は45年、1952年発売の国産スルメイカを使用した「いかの塩辛」は68年、でんぶをあまだきにした「あまだきでんぶ」は1920年から約100年販売されているロングセラー商品だ。
実は桃屋は現在販売している全52商品のなかで、19商品が40年以上のロングセラー商品になっているのだ。
どうしてこのようなロングセラー商品を生み出せるのだろうか?
商品開発を担当して30年のベテランである開発部長の品田さんによると、「桃屋はコレだ!と思う商品じゃないと出さない」というのが1番のポイントだという。
桃屋は平均して1年に1個か2個の新商品しか販売していないのだ。
桃屋はどれくらいの頻度で新商品を販売している?
満足のできる商品でないと「新商品」として販売しない桃屋。
一体、どれくらいの頻度で新商品を販売しているのだろうか。
実は、10年前からさかのぼってみると、2010年・11年・13年・15年は新商品を販売していない。
不作の場合は、最長で2年半の間新商品を出さなかったこともある。
2019年8月に発売された「麻辣香油」はなんと11年かけて商品化されたという。
「ごはんですよ!」に代わるネクストブレイクALSA商品は「辛そうで辛くない少し辛いラー油」!
その裏で、2010年に誕生した新しい調味料型の「ごはんのお供」が空前の大ヒットを遂げていた。
その名も「fa-arrow-circle-right辛そうで辛くない少し辛いラー油」だ。
「辛そうで辛くない少し辛いラー油」は、創業以来最大のヒット商品となっている。
容量は110gたっぷり入って、お値段は410円(税込)とお手頃。
「桃屋」の商品はご飯のお供から調味料へ!「桃屋」アレンジレシピ355種
桃屋では、「レシピ開発」にも力を入れている。
このレシピが広まれば、桃屋の商品で料理を作る人が増えて必然的に商品の売り上げを伸びるからだ。
実際にメニュー開発をは初めてから、年間売上は約15%アップしているという。
「桃屋」のホームページを見てみると、現在335種類のアレンジレシピが公開されている。
「fa-arrow-circle-right今週の簡単レシピ」や「fa-arrow-circle-right白飯×桃屋」、「fa-arrow-circle-rightパン×桃屋」など、桃屋の商品を使えばもっとおいしくなるをテーマに、簡単で驚くほど美味しい「桃屋ごはん」を紹介している。
商品からレシピを探したり、ご飯・パン・麺類・牛肉などのジャンルから調べることもできる。
こういったレシピを公開することで、「桃屋」の商品も売れ行きが伸びるという訳だ。
レシピ開発のポイントは「どこでにもある食材で」「誰でも作れる」ということ。
月1回開催される「新商品会議」では社長の桃屋に対する思いが!
桃屋では新しいアイデアを集めるため、月1回「新商品会議」が開催される。
新商品を試食した小出社長は、「美味しいんだけど、他社が真似できるようなものを作ってもしょうがない。新商品を出すのが目的ではない」と厳しい意見。
これが小出社長の桃屋に対する強い思いなのだ。
このフィードバックを受けて、社員たちはどうすれば「商品の特徴」を出せるかなどを考えるという。
会社を代表するヒット商品が生まれても、次なるヒット商品への開発をやめることのない桃屋。
その分野のトップへと昇り詰めてから、さらなるステップへと進もうとする力が大切なのかもしれない。