今週2月20日(木)の「カンブリア宮殿」は、日本のインフラ事業を陰で支える知られざる黒子企業に密着する。
かつて600億円の損失をしたにも関わらず、見事に復活した「日本ガイシ」の復活劇とは!?
優れた技術力で世界が認める企業にまで上り詰めた挑戦に迫る!!
世界トップの技術力で大躍進の洋食器メーカー「ノリタケ」 目からウロコの黒子企業!!
日本を代表する洋食器メーカー「fa-arrow-circle-rightノリタケ」。
結婚式の引き出物や出産祝いなどのプレゼントに贈られることの多い人気ブランドだ。
「ノリタケ」ブランドを展開しているのは、「fa-arrow-circle-right株式会社ノリタケカンパニーリミテド」。
株式会社ノリタケカンパニーリミテドは明治37年(1904)に設立した100年以上の歴史を誇る老舗企業。
昭和56年までは「日本陶器」として事業を広げていたが、さらなる拡大に向けて、「ノリタケカンパニーリミテド」に社名変更した。
ノリタケグループは23社の子会社と4社の持分法適用会社を持つ大企業だ。(※2019.6.25現在)
ノリタケの技術力は世界に認められており、その秘密温度を緻密に操る“焼きの技術力”。
その力で世界が認めるブランドに成長してきたノリタケだは、実はセラミック加工の技術を生かし、世界に羽ばたく2つの大企業を生んでいた。
洋式便器のトップメーカーである「fa-arrow-circle-rightTOTO」と名古屋に本社を構える「fa-arrow-circle-right日本ガイシ」だ。
洋式便器のトップメーカー「TOTO」も「ノリタケ」の技術から生まれていた!!
「TOTO」といえば、トイレのメーカーとして誰もが1度は聞いたことのある名前。
TOTO株式会社は1917年(大正6年)に設立し、衛生陶器やシステムトイレ、浴槽、システムキッチンなどを手掛けている企業だ。
福岡県北九州市に本社を構え、従業員数はTOTO単独で8,034名(2019年3月末現在)が働いている。
そんなTOTOも、実はノリタケから枝分かれした兄弟企業なのだ。
実は身の回りのモノに使われている「日本ガイシ」の商品が!!
もう1つの企業、「fa-arrow-circle-right日本ガイシ株式会社」は、実は世界の最先端技術を支える黒子企業だ。
日頃生活している中で、電気の無い生活は考えられない。
その電気を安全に送電するため、日本ガイシが作る「鉄塔用の碍子」は国内シェア約9割を誇っている。
ハンマーで叩いても壊れることはなく、数十トンの重さに50年は耐えられるようになっている。
また、長距離移動には欠かせない自動車に取り付けられている「排ガス浄化装置用品」では、なんと世界の車の2台に1台が日本ガイシ製が使われているという。
「ハニセラム」と呼ばれるセラミックで作られるフィルターの穴の大きさは1mmで、壁の厚さは0.05mm。
手のひらに乗るサイズのハニセラムは、サッカーコート2面分と驚きの表面積を持っている。
さらに、日本ガイシは、“自然放電”をほとんどせずに、大量の電力を長時間貯蔵できる高性能蓄電池「NAS電池」の開発を世界で唯一成功した企業なのだ。
このように日本ガイシは日本の黒子企業として世界に認められる企業になっている。
なぜ、このように日本ガイシはナンバーワン・オンリーワンの製品を生み出し続けることができるのだろうか。
「約600億円の損失にも怯むな!!」強気の挑戦が導いた成功
1919年、ノリタケが日本陶器だった時代に独立した「日本ガイシ」。
自動車の排気ガスを浄化する「排ガス浄化装置」専用のセラミックや、放射性廃棄物処理設備の製造を行い、大きく事業を拡大してきた。
日本ガイシに入社した大島さんは、高性能の蓄電池「NAS電池」の開発を担当することになった。
NAS電池の導入表費用は一般的な蓄電池と比べると半分以下と安い。
にも関わらず、設置スペースは従来の4分の1で賄えるのだ。
大島さんは18年の開発期間で「NAS電池」の実用化に成功した。
しかし、大島の手掛けた「NAS電池」が納品先で火災事故を起こしてしまう事故が起きた。
複数納品したNAS電池の中で1本だけ製造不良のものがあり、ショート出火してしまったのだ。
そして、日本ガイシは約600億円の特別損失を計上することとなる。
これまで日本ガイシは黒字経営が続いており、設立以来、初の赤字だった。
火災事故という大失敗を起こしてしまった大島さん。
当時の社長は、そんな彼を奮い立たせた一言を残したという。
「大島くん、(600億円の損失にも)怯むな。大事なのはこれから何をしていくかだ。だから、怯むな。」と言ったんだそう。
大島さんはその言葉を聞き、反省すべきことは反省して、早く次の対策に動くことが大事だと気づいたという。
そして、日本ガイシは世界でも高い技術力を生かし、新しい開発を続けた。
その結果、2018年度の日本ガイシの年商は4635億円を突破した。
新たな世界一を! 挑戦し続ける日本ガイシの次なる一手「窒化ガリウムウエハー」
高い技術力を活かして、他社がマネできない“ものづくり”をして成長を遂げている日本ガイシ。
そんな日本ガイシが次に開発を進めているのが、“厚さ0.45mm”という超薄型の蓄電池だ。
その名も、「窒化ガリウムウエハー」。
日本ガイシチームが世界で初めて6インチの製造に成功した。
窒化ガリウムウエハーが実用化されると、日本でもまもなく導入されると言われている次世代モバイル通信「5G」やIotに活用出来る。
今後を見据えて、日本ガイシは新たな挑戦を進めている。
「失敗を恐れない」ということが成功への第一歩なのではないだろうか。