心臓疾患の治療時間が20分、歩いて治療室を退出できる「カテーテル治療」。
今や、医療現場では欠かすことのできない治療器具だ。
カテーテルがここまで発達した理由は、医療機器を製造する企業「TERUMO」の存在である。
「医療を通じて社会に貢献する」という企業理念のもと、売り上げ6,000億円と巨大企業に成長。
本日のお題は、驚異の技術力で医療革命をおこすTERUMOの最新治療の全貌に迫る。
日帰りで治る心臓疾患カテーテル治療最前線
カテーテル治療は、1929年ヴェルナー・フォルスマンが自分の体で証明して見せた。
自分の腕の動脈にカテーテルを入れ、心臓まで到達したものをレントゲンに収めることに成功したのだ。
1980年には、カテーテル治療が一般的となった。
当時のカテーテル治療は、足の先から太いものを入れるため治療後の止血が大変で2週間くらい入院をしなければならなかったのだ。
今では医療技術が進歩し、治療時間20分日帰り可能と手軽に治療ができるようになった。
それを可能にしたのが、TERUMOのカテーテルだ。
カテーテルを病変部まで運ぶのに必要なガイドワイヤーは、液体に触れると表面がヌルヌルしスムーズに内部まで入れることができる特徴がある。
またステントと呼ばれる血管を内側から広げる器具は、直径2ミリの管をレーザーで丁寧にカットし1000分の1ミリ単位で薬を外表面に塗るといった細かく高い技術によってつくられているのだ。
その高い技術力は、医師からの評判も良く「使い勝手がいい」「他ではまねできない」など高評価を得ている。
TERUMOのカテーテルは、今のカテーテル医療には欠かせないアイテムなのだ。
TERUMOは赤線検温器株式会社から始まった
赤線検温器株式会社は、2024年に発行する新しい1000円札でおなじみの北里柴三郎が設立した会社だ。
当時は第一次世界大戦の真っただ中であり、その影響で体温計が日本から消えてしまったのだ。
「何とか良質な体温計を作ろう」と立ち上げたのが、赤線検温器株式会社である。
その時に作られた赤い線で温度を見やすくする体温計、テルモメーテルが現在の名の由来となっている。
マラリアに挑む秘密兵器!医療で世界を変える
現在アフリカで流行っている、マラリア。マラリア原虫を持った蚊に刺されると、赤血球が感染しマラリアを発症してしまう。
年間数百万人以上の死者を出しているマラリア、TERUMOはその病気の対策として新たな秘密兵器を用意した。
アメリカのカリディアンBCTという企業が出している病原体低減化システム、「ミラソル」だ。
ミラソルを使った実験結果では、感染していた赤血球が治ったという結果も。
秘密兵器ミラソルで、アフリカをマラリアから防ぐことができるのか。
現場の声に耳を傾けた製品づくり
TERUMOがこれまで信頼される企業になった理由は、常に現場の声に耳を傾け製品づくりを行ってきたからだ。
悩んでいる企業に直接おもむき、ユーザーが抱える小さな不安を商品開発のアイディアとしてきた。
例えば、今までの輸入ポンプは付け替える際に重く大変だった。
しかし、取り付ける部分を改良することにより悩みが解消され作業が劇的に楽になったのだ。
ユーザーの悩みをピンポイントに解決してきたからこそ、多くの医療現場から利用されるようになったのである。
少しでも良い医療を!
血糖値測定器という、リアルタイムで血糖値を図れる優れた機器を開発した。
腹部にセンサーを装着することで、リアルタイムで数値が分かり血糖値をコントロールできるようになるのだ。
血糖値の急激な増加を防ぐことができれば、心筋梗塞や糖尿病などを防ぐことができる。
少しでもよい医療を!TERUMOの挑戦は続く。