2019年7月23日(火)22:00〜はガイアの夜明け。
現場で働く人にスポットをあてた、本番組は経済ドキュメンタリーとなっております。
一般的なタンスの中の7割は着ない服と言われている。
それらは眠ったまま本来の価値を活かされずにいるのだ。
10年、20年と服を捨てられない人も多く、ほとんどは着られないものばかり。
そんな現状を変革すべく、不用品買取業界が動いている。
捨てずにリメイクするサービスや、リサイクルショップに持っていくことに手間を感じる人へのサービスが進化を遂げているのだ。
今回は、タンスの中の眠れる金鉱へアプローチするリサイクルビジネスの最前線を追っていく。
「捨てる服」を「ステキ」に化けさせる新サービス
東京や千葉、大阪に画期的な服のリメイクサービスを提供する店舗がある。
要らなくなった服を持ち込むと、その場で専門スタッフがお客さんの要望を聞いて大胆にリメイクしてくれるのだ。
「ちょっと手直しする」という具合ではなく、依頼者の希望を聞きながら抜本的にアイテムを変えてしまう。
例えば、女性用のジーンズをスカートにしてみたり、男性用の穴の空いたシャツを女性用のブラウスに。
穴の空いた部分は女性らしいシースルーのデザインにしてお洒落な印象に大変身させてしまう。
サービスを始めたfa-arrow-circle-rightホープインターナショナルワークス株式会社は、「捨てられる洋服を蘇らせる」文化を生み出そうとしているのだ。
原宿にリメイクした服を販売する店舗をオープン。服のあり方を変えていけるか
2019年7月、ホープインターナショナルワークスはファッションの聖地である原宿に新店舗をオープンした。
今までの店舗では服のリメイクのみを行っていたが、今回の店舗では社員が作った「リメイクで劇的に変わった服」を販売する。
ユーザーに「リメイクしてみたい。」と思ってもらうのが狙いだ。
社内は、リメイクならではの商品を考えるのに奮闘した。
そして急ピッチでオープンの準備が進められ、ついに7月13日(土)に開店。
初日からお客さんの反応は上々。リメイクされた商品に魅力を感じて購入していく人が続々と現れた。
中には「次に来るときはいらない服を持ってきてリメイクしてもらいたい。」という人も。
狙い通り、リメイクの魅力は原宿の人たちの心を掴んだと言えるだろう。
今後は…
- いらない服をすぐに捨てるのではなく、一度リメイクを考える。
- 彼氏や旦那さんの着れなくなった服を女性用にリメイクしてみる。
といった新しい文化が浸透する日も近いかもしれない。
高村社長と社員は、今日も「捨てられる服を救う」ために奔走している。
フリマアプリに対抗!リサイクルショップの生き残りを賭けた作戦とは
フリマアプリが大流行する昨今、既存のリサイクルショップは窮地に立たされている。
フリマアプリで10,000円で売れるものが、リサイクルショップだと1,000円にしかならないと言われてしまうのだから仕方ない。
リサイクルショップベクトルを運営するfa-arrow-circle-right株式会社ベクトルも、フリマアプリの影響を受けた会社の一つだ。
2017年に96あった店舗が、今では半分近くになってしまった。
そこで社長の村川さんは、生き残りを賭けて新たな戦略を打ち出した。
古着の宅配買取サービスの「fa-arrow-circle-rightフクウロ」だ。
フクウロは、ユーザーから申し込みがあると宅配用のダンボールを自宅に送る。
ユーザーはダンボールに要らない衣類を詰めて送るだけ。そして送料は無料。
岡山県にある倉庫には、毎日膨大な量の衣服が届けられる。
スタッフがブランド名や汚れをチェックして、メールでユーザーに買取金額を提示するという仕組みだ。
実際に試してみた女性も想像より1万円以上も高く売れ、満足そう。
クリーニング店とタッグ、無人店舗で更なる眠れる資産を掘り起こす
村川社長はさらに仕掛ける。
全国に7,000店舗のクリーニングチェーンを持つfa-arrow-circle-rightホワイト急便と手を組むというのだ。
いつもクリーニング店を利用するお客さんが、気軽に不用品を持ち込める仕組みにするのだ。
クリーニング店のスタッフが一度不用品を預かり、その後空き時間にキャッシュプロというアプリを使って、その場で査定してしまう。
実際に店舗で期間限定で実施してみると、お客さんからは大好評。
6日間でなんと約500点もの不用品が持ち込まれた。
「こういったサービスが無ければずっと眠ったままだった。」
「また定期的にサービスを実施してほしい。」
など、特にフリマアプリなどをあまり利用しない50代のお客さんの反応が良かった。
また、商業施設の空きスペースを活用した無人買取サービスもお客さんの心を掴んでいる。
- お客さんが自分で写真を取る
- その場で査定金額をアプリで知る
- 売っても良い商品は、ロッカーに入れる
という流れだ。
この実験でも5日間で15人が実際に買取をした。
眠った服が、また誰かのお気に入りに。リサイクル業界は変革している
既存のリサイクルショップのあり方は、変化の真っ最中である。
売りに来てもらうのを店舗で待っているだけでなく、テクノロジーを活用した
新しいサービスが次々に誕生している。
家庭に眠る資産が、徐々に動き始め「不用品」という概念そのものが変わっていくかもしれない。