今週のカンブリア宮殿では、老若男女に人気の雑貨店「fa-arrow-circle-rightロフト」に密着。
ロフトが雑貨文化の礎を作り上げた誕生秘話や、誰よりも早く最先端の流行を取り入れることで、客を楽しませながら成長を続けている。
そんなロフト流の戦い方に迫る!
雑貨の販売で年商1000億円! 流行を生み出す「Loft(ロフト)」
近年、高級外と言われていた銀座に「ユニクロ」や「ABC-Mart」などのリーズナブルな価格で手に入る店が増えている。
そんな道行く人の中の多くは、「黄色いショップバッグ」を手にしている。
黄色がトレードマークの「fa-arrow-circle-rightLoft(ロフト)」だ。
ロフトは東京都千代田区に本社を構える生活雑貨の専門店で、5,107名の従業員が働いている (2019年2月現在)。
また、店舗数は直営店舗が100店舗、FC店舗が18店舗の合計118店舗を運営 (2019年5月現在)。
ロフトは、日常を楽しく便利にする雑貨を数多く販売しており独自自の存在感を示している。
今や年商1000億円と著しい成長を見えているロフトだが、その原動力はどこにあるのだろうか。
それは創業以来ロフトがこだわっている「どこよりも早く魅力的な商品を並べる」という信念にあった。
見ているだけでも飽きない!ロフトでしか手に入らない商品ラインナップ
銀座にあるロフトでは、どのフロアも大勢の客で賑わっていた。
お湯を注ぐだけでスープができるマカロンのような商品や、世界のごちそうがレトルトになった商品などのここでしか見かけないものばかり。
日用雑貨品を多く取り扱っているロフトは毎日がちょっと楽しくなるような「ときめく商品」、およそ23万点を販売しているのだ。
面白い商品ばかりなので、店内の滞在時間は2~4時間という客ばかりで、ロフトの商品は金額も手ごろなのでついつい買ってしまうんだとか。
そんな代表的なロフトが火をつけたヒット商品はというと、文具では、「システム手帳」や「ほぼ日手帳」。
これらをいち早く世の中にプロモーションしていたのだ。
そんなロフトは流行の最先端とされており、「今年ロフトで流行ったもの」や「ロフトで見つけた便利グッズ」などの特集を組まれるほど。
ロフトは「世に出ていない商品をヒットさせる流行の発信源」なのだ。
「千円札1枚の幸せ」──大躍進中のロフトの商品買い付けの秘密とは?
ロフトの社長である安藤さんは「ロフトは1000円持っていれば、楽しいものが絶対みつかる」という。
安藤さんは、32年前(1987年)のロフト開業時の立ち上げメンバーの1人。
安藤さんは今でも面白い商品を見つけると自ら買い付ける。
ロフトで活躍するバイヤーたちは、国内外のメーカーと独自のパイプがあり、メーカーからも「ヒットメーカー集団」として頼られている。
コスメ部門のバイヤーである本間さんは1日に4.5社を1ヵ月(22日)、およそ88社から110社を回っているという。
人気コスメメーカーである「fa-arrow-circle-rightL'ORÉAL PARIS」を訪れると、新商品を紹介され、爆発的に製品が売れるようにご協力くださいと言われるほど。
実は、本間さんは目利き力があり、気に入った商品はかなりの確率でヒットすると言われている。
半年先の流行色などは予測することが難しいが、本間さんは適格な助言をくれるそう。
そんな絶大な信頼と支持を持ち、「ロフト限定色」などのコスメが開発されるほど。
香港で発見!30分で肌に浸透するコラーゲンパック
さらなる“ときめく”商品を探すために、バイヤー陣は香港に訪れた。
そこで日本で未発売でヒントになるようなものを探すという。
今年2月に誕生したばかりのコスメブランド「fa-arrow-circle-rightstonebrick」やアクセサリーショップを訪れるが、なかなかお眼鏡に適うものはなかった。
ついに、ある店で驚きの新商品を発見した。
全てコラーゲンでできているパックは、装着から30分で透明になり、コラーゲンが肌全体に浸透するのだという。
日本ではまだない新しいヒット商品の予感を感じ、ロフトに導入することに決めた。
“ときめく雑貨”が23万点!今のロフトの人気トレンド商品は?
ロフトでは23万点という莫大な雑貨の品揃えで客を喜ばせている。
そんな中でも今、人気を集めているのが逆算してスケジュール管理ができる“逆算手帳”、お値段4125円。
また、上下が1ヵ月と1週間に分かれているセパレートタイプの手帳“ウィークリーツインダイアリー”(1650円)も人気だ。
お弁当売り場でも1000種類以上の品揃えを取り揃えているが、ロフトがここまでの品揃えができるのにはワケがあった。
ロフトは魅力的な商品を増やすために独自開発商品を行っており、これが最近ヒットを連発している。
映画「スターウォーズ」の劇中に登場する文字をデザインに使ったグッズを展開や、「あかね」「うぐいす」などの日本の伝統色をネイルカラーに取り入れたコスメ商品。
さらに、スマホ普及に手帳離れしている若者世代に手帳を使う習慣をつける「学生to手帳」など、他のメーカーにはない発想と切り口でヒット商品を連発しているのだ。
1987年に開業した渋谷ロフト コンセプトは「時の器」
1987年、西武百貨店の別館として渋谷に初めてロフトが誕生した。
6階にあった珍しい海外雑貨を集めた先進的な売り場「ムービング」は一躍話題となり、ロフトには客が殺到した。
当時、そのムービングを作ったのは28歳だった現社長の安藤さん。
安藤さんは大学を卒業後に西武百貨店に入社し、20代後半頃、渋谷西武の別館にこれまでにない店舗を作る「西武C館プロジェクト」が計画され、そのメンバーに選抜されたのであった。
当時のロフトはこれまでにないスタイルの店で、コンセプトは「時の器」とされていた。
こだわり抜いた雑貨はメキシコまで買い付けた見たこともないような海外の雑貨も並び、若者たちを驚かせた。
棚を斜めにすることで、客が多くの商品に出会える?!
ロフトでは、23万点ある商品が多くのお客に触れるよう、商品の展開の仕方にもこだわりがある。
通常、お店では商品の陳列棚は平行にして置くことが多いが、ロフトでは“わざと”斜めになるように棚をセッティングしている。
斜めに棚を配置することで、お客の目が当たる場所が非常に増えるという。
また、通常のお店ではジャンルによって商品の陳列を分けているが、ロフトではジャンルに関わらず「おしゃれに温まる」などのテーマによって陳列を分けている。
これにより、そのテーマに興味のあるお客はすべての商品に興味を持ちやすく、セット買いしやすいんだとか。
この手法をロフトでは「房(ふさ)」と呼んでいる。
イメージはブドウの房。
ブドウは房がいくつも集まっており、それを粒が構成している。
例えば「美しくなるための快眠」がテーマの売り場にはルームウェアを始め、濡れマスクやハーブティーなど顧客に寄り添った目線で商品が展開されている。
ロフトがハロウィーンから撤退!?問題視される“渋谷のハロウィーン”
近年、ハロウィーンの時期になると暴行や窃盗、わいせつなどのニュースで騒がれている。
そのような様子を受け、ロフトの社長である安藤さんは「我々もそんなに取り組みたいモチベーションではなくなった」と話し、「もう1度クリスマスの時間をゆっくり楽しんでもらえる商品を増やしている」という。
そこで、クリスマスに向けて商品に力を入れ、売り場を充実させることにした。
テーマは「家族で過ごすクリスマス」。
豪華に飾られた店内に訪れる客は揃えて目を輝かせていた。
新しい切り口からこれまで成長してきたロフト。
安藤さんは「暮らしに寄り添い、提案し続ける」ということを大切にしている。
その思いが社長となった今でも、気になる商品を買い付けている原動力に繋がっているのだろうか。
他がやっていないことをやるロフトの大躍進はまだまだ続く。