ハローキティやマイメロディ、ポムポムプリンなどの可愛いキャラクターが人気のサンリオ。
そんなサンリオのキャラクターに会えるテーマパーク「fa-arrow-circle-rightサンリオピューロランド」がある。
今週2月9日のガッチリマンデーでは、かつて赤字のテーマパークだった「サンリオピューロランド」に密着。
現在では、赤字経営の時と比べて10倍のお客が来場しているという。
そのV字復活成功の影にはある“女社長”の作戦があった!
一体どのような作戦で来場者を10倍に増やしたのだろうか!?
「KAWAIIブーム」の先駆け!テーマパーク“サンリオピューロランド”とは?
「fa-arrow-circle-rightサンリオピューロランド」は東京都多摩市にある株式会社サンリオエンターテイメントが運営しているテーマパークだ。
「愛と夢とで、できた国」がキャッチコピーのサンリオピューロランドは1990年12月に開園してから、およそ30年が経っている。
入場料は次のようになっている。
■入場料
大人 | 子供 | シニア | |
平日 | 3,300円 | 2,500円 | 2,200円 |
休日 | 3,900円 | 2,800円 | |
アフタヌーン | 2,200円 | 2,000円 |
東京ディズニーランドやユニバーサルスタジオジャパンと比べてみると、東京ディズニーランドのチケット料金は7,500円(平日/大人)。
ユニバーサルスタジオジャパンのチケット料金は7,800円(平日/大人)なので、サンリオピューロランドは半額以上の安さで入園することができる。
開園してから翌年のバブル崩壊以降、なかなか来場者数が伸びなかったサンリオピューロランドだが、2009年の入場者数108万5000人を皮切りに、2010年は113万7000人、2012年は115万4000人、13年度に113万9000人と入場者数を伸ばしてきた。
そして、2016年度には開園初年度に迫る180万人を記録し、2018年には過去最高の約219万人を突破。
成功のカギは一体なんなのだろうか。
ターゲットを「子供やその家族」から「大人の女性」に方針転換!「アニメ」×「2.5次元俳優」
サンリオピューロランドの「ショー」や「ミュージカル」の観客はほとんどが若い女性で溢れている。
実は、サンリオピューロランドでは客足が増えだした2014年から大きな「方針転換」が行われていた。
これまで、メインターゲットは子供やその家族であったが、改革後は大人の女性をターゲットにしたのだ。
アトラクションを大人の女性向けに変更し、ミュージカルやショーも大人向けに変更。
小牧社長は若い女性を集めるため、これまでキャラクターメインだったミュージカルを「可愛いミュージカル」から、2.5次元俳優を起用した「イケメンミュージカル」に変更した。
2.5次元ミュージカルとは
しかも、なんと写真撮影がOKのため、自分のカメラでイケメン俳優を撮影するファンが多いんだとか。
イケメン俳優目当ての女性とアニメファンの女性の来客が増え、改革を始めた2014年と2015年を比べるだけで、約126万人から約158万人に来場者数が増加している。
こうしてサンリオピューロランドのショーやミュージカルは若い女性から絶大な人気を集めることに成功したのだ。
商品が売れるヒミツは社長の「可愛いチェック」!?
パークの収入源として大きな柱になるのが「入場料」と「グッズ」。
小牧社長はサンリオピューロランドのグッズにも「大人向け」に変更していた。
サンリオピューロランドに訪れれる客女性客は「お土産」よりも「自分が普段使いできるもの」を購入する人が多いんだとか。
そこで、ミラーやポーチなどの普段使えるグッズを多く揃えることにした。
また、最近はハローキティやマイメロディなど1キャラクターのファンが多いため、いくつかのキャラクターが集合したグッズではなく、1キャラクターごとに商品化して販売しているという。
グッズ販売に元もっとも欠かせないことは、「推しキャラ」ごとにファンの特徴が違うという点。
例えば、マイメロディの好きなファンはピンク&フリフリ系の服が好きな女性が多いのでピンクが多めで、クロミが好きな女性がクール系が多いので黒や紫が多いというように、特徴が異なる。
サンリオピューロランドでは約600点のグッズが販売されているが、売り出すには社長の「可愛いチェック」を突破しなければならない。
リボンの雑さだったり、マスコットキャラクターの顔のパーツの位置など、厳しい目で「可愛いチェック」が入る。
社長のお眼鏡にかなった商品のみしか商品化されることはなく、多いときには4回チェックを入ることも。
食事も可愛く!大人の女性が思わず撮りたくなる「インスタ映え」メニューに
サンリオピューロランドでは、食事のメニューも一新し、思わず撮りたくなる「インスタ映え」メニューが増えている。
改革前のお子様プレートと、改革後には「映える」フードが多くなっている。
フードを注文したお客たちが自らのSNSにアップしてくれるので、そこからまら新しいお客の来場に繋がると言う。
しかし、「インスタ映え」するメニューは、作るのお大変だという。
キャラクターのお顔を作るのが至難の業で、数ミリ位置が変わるだけでキャラクターの印象が変わってしまうのだ。
熟練のスタッフはこの「インスタ映えメニュー」をわずか30秒で作り上げるという。
「みんななかよく」がカギ!?社員教育は謎のフラフープ朝礼で!
2014年の改革以前、サンリオピューロランドは近年の不況の影響で客足が伸びず、赤字経営に陥っていた。
その経営を10年で来場者数を倍にし、黒字へと導いた小牧社長は長年続く赤字に対し、彼女が行ったのは新たな設備投資やリストラではなく、「みんななかよく」を掲げた人材育成だった。
というのも、サンリオピューロランドで働くスタッフは、「サンリオが好き」という理由で入社してきた人ばかり。
来場者数が減ってしまう原因が「スタッフのやる気」というが訳ではなく、根本的な問題は社員の“コミュニケーション不足”にあると考えた。
以前は、各部署ごとに朝礼を行っていたが、改革後は全部署ごちゃまでで朝礼を行い、どの時間帯でも好きな時間の朝礼に参加して良いというルールにした。
毎日色んな組み合わせで朝礼を行うので、みんなが顔見知りになれるのだ。
そして、朝礼の後には全員が人差し指を出し、1つのフラフープを落とさず床におろすという共同作業を行っている。
同じ体験をとして仲良くなれるというのが小牧社長の考えなのだ。
赤字経営が続いていても、人員や設備を変えずとも集客を2倍にすることができたサンリオピューロランド。
そこには女性に人気の高いサンリオピューロランドを経営する女社長ならでは改革があった。
同じ女性目線だからこそ分かることもある。
なにかに行き詰った時には、普段の違う視点で物事を考えてみるのも良いかもしれない。